ファンが怒っている。関東地方を中心に被害が発生している広域強盗事件で24日、実行メンバーに指示を送っていた人物が「ルフィ」を名乗っていたと判明し話題になっている。ルフィといえば、人気漫画「ワンピース」の主人公が思い浮かぶだろう。これにファンは「名前を使わないで」「ふざけるな!」と怒り心頭。警察はルフィにたどり着けるのか。

 警視庁は東京都中野区の住宅で昨年12月に起きた強盗事件で24日、男2人を逮捕。この事件に関わった犯行グループは7人とみられ、すでに2人が逮捕されているため、残りは3人となった。また、逮捕されていた容疑者の携帯電話から「狛江市」などのメッセージが発見。19日に東京都狛江市で90歳女性が殺害された事件との関連が疑われている。

 容疑者らは闇バイトで集まったといい、グループは全国で少なくとも25件の事件に関係がある可能性が浮上している。複数の報道によると、容疑者らに指示を出していた人物は「ルフィ」と名乗っていたという。連絡に使われていたアプリは匿名性の高い「テレグラム」だった。

 ルフィはワンピースの主人公から取った可能性がある。作中のルフィは海賊団「麦わらの一味」の船長という人気キャラだ。ネットではワンピースファンが「ルフィの名前使って強盗すんな」「海賊じゃなくて、盗賊かよ」「何やってんだお前!」と激怒している。

 事件で関係者がアニメキャラを名乗っていたケースでは「トー横のハウル」がいる。居場所のない少年少女が集まっていた東京・歌舞伎町の通称「トー横」エリアで清掃ボランティアなどをやっていた人物で、昨年6月に少女にみだらな行為をしたとして逮捕。同11月に東京拘置所で死亡していた。トー横でハウルとともに活動していた男性は「彼はツイッターのアイコンをジブリ映画の『ハウルの動く城』のハウルにしていた。直接確かめなかったけど好きなんだと思う」と話した。ハウルはメディアによく登場するなどトー横の話題では目立っていた。

 一方、強盗団のルフィは自身の痕跡を隠すためにテレグラムを利用していたのだろう。IT関係者は「テレグラムはサーバーを通さないのでやりとりがネット上に残らない。さらに、メッセージを自動削除する機能もあり、まったく痕跡が残らないのです」と解説。数年前から日本でも犯罪で使われることのあるアプリだ。

 追跡が困難とされるアプリだが、ルフィという目立つ名前をつける人物だけに探せばスキがあるかもしれない。