ボクシングの世界バンタム級4団体統一王者となった井上尚弥(29=大橋)が14日、地元の神奈川・座間市内で行われたイベント「ざま井上兄弟タウンミーツ」に弟・拓真とともに参加。生まれ育った街でファンから歓迎を受けた。

 前日13日に4本のベルトを返上した上でスーパーバンタム級への転向を表明した井上は、この日のイベントではファンからの質問に応じ意外な苦悩も口にした。〝モチベーションをどう維持しているのか〟との問いに「そこはチャンピオンになってからすごく苦しんだりしたんです」と告白。2014年4月のWBC世界ライトフライ級王座獲得で初めて世界王者になって以降の試合について「チャンピオンになった時の試合よりモチベーションとか気持ちがどうしても下がってきてしまうんです。現状を突き進んでいくと、その時の刺激とかもなくなってきますし」と明かした。

 その上でモチベーションをキープするために過去の世界王者の話を聞くなど試行錯誤を行ったと言い「どうやってモチベーションを上げるかっていうと、やっぱり強いやつと戦うこと。そして『このくらい練習しないとそいつに勝てない』という危機感がないと、試合前に10キロという体重落とすとか過程もそうですけど、そういう苦しいことを乗り越えられないなって」との結論に至ったと力説。昨年12月、ポール・バトラーを圧倒して4団体統一を成し遂げた試合について「記録がかかっているからモチベーションが上がるかと思ったんですけど…。やっぱり記録じゃなくて誰と戦うか。12月の試合を見ていただいた方もいると思うんですけど、やっぱり自分自身ヒリヒリしない、ピリピリしない試合だったので。どうしても自分に危機感を覚えないとダメだと思いました」とモチベーションの維持が難しい試合だったことを吐露した。

 今後はスーパーバンタムに階級を上げ、自分より体格に勝る相手と打ち合う機会も増えてくる。それだけに「すごくモチベーションが上がるし、モチベーションが上がるといい試合ができているので。自分自身に期待しています」と笑顔を見せた。闘志みなぎるモンスターの新章に期待が集まる。