新たな階級で〝モンスター〟は、どんな姿を見せるのか――。ボクシングの世界バンタム級4団体統一王者となった井上尚弥(29=大橋)が13日に会見を行い、王座を返上しスーパーバンタム級に転向することを正式に表明。誰もが気になる今後について異色の経歴を持つ元日本スーパーライト級王者・細川バレンタイン氏(41)が取材に応じ、徹底分析した。

 井上は、この日の会見で新たな挑戦に「強さを追い求めていきたい。もっと強い井上尚弥を見せる」と自信をみなぎらせた。次戦の相手は大橋秀行会長が「すべて交渉中」と語るにとどめたものの、本人は「スーパーバンタムのトップ戦線で戦っている誰かとできれば」と希望した。

 最終目標は史上初となる2階級での4団体制覇。現役時代に外資系金融機関の営業マンとの二足のわらじで日本王者となった細川氏は、快挙達成の可能性を「かなりデカいです」と断言。続けて「パーセンテージは一戦してもらわないと分からないです。(ルイス・)ネリでも(WBAスーパー&IBF統一王者のムロジョン・)アフマダリエフでもいい。スーパーバンタムの強い誰かと一戦してほしいですね」との見解を示した。

 そこで注目されるのが、これまでよりリミットが1・8キロ重い55・3キロとなる〝階級の壁〟だ。会社経営の傍ら公式ユーチューブチャンネル「前向き教室」で発信も行っている同氏は、バンタム級が井上の適正階級だとした上でこう指摘する。

「井上は、バンタムでもデカい方なんです。つまり、今までは自分より小さいか同じ大きさの選手とやってきたということ。時にはパワーで圧倒してしまい、技術戦にすらならないケースがありました。だけど、今後、彼としては初めて自分より大きい相手と戦うことになるんです」

 となれば、試合展開も変わってくるだろう。細川氏は「スーパーバンタムでも、ダウンは取れると思います。でも、今まではそれで〝瀕死状態〟になっていたはずの相手が、今後は立ち上がってくるケースが増えるはずです。そこに井上がどう対応するのか。そこがまず見どころになります」と分析した。

 また、細川氏は井上が「本来の体格はバンタム級が適正だと思う」と理解した上で階級を上げたことにも注目する。「適正がバンタムだっていうことを本人も分かっている。その上で『やることがないからいく』と明言しているわけですから。変な不安はないと思います。むしろ、今まで見られなかった井上の技術を見られるチャンスが増えると思います」

 新たな舞台でも〝モンスター〟には、適応が期待できそうだ。