東京都監査事務局は4日、若年被害女性等支援事業について、都が委託していた一般社団法人「Colabo」(コラボ=代表・仁藤夢乃氏)に対する住民監査請求の監査結果を公表。経費精算に一部不当な点があるとして、都に適切な措置を講じるよう勧告した。ネットを中心に大きな話題になっているコラボ問題だが、東京都庁への爆破予告や殺害予告にも発展しているというから穏やかではない。

 コラボは虐待などを受けた、若い女性への支援活動をしている団体。都は今後、コラボに対する委託料の過払いなどが認められる場合は、返還請求等の適切な措置を講じる必要がある。

 監査結果を受けて、コラボは文書を発表し「本件監査においては、なんら違法行為は確認されず、監査請求人が主張した事実のほとんどは認定されませんでした」とコメント。また、監査で「不当」とされた点があったことについては「見直しや改善が必要ということであれば指導に従い、適切に対処していきます」としている。

 この団体をめぐっては昨年からネット上でさまざまな指摘がなされており、監査請求の行方が注目されていた。4日には「監査結果」「東京都監査事務局」などの関連ワードが、ツイッターでトレンド入りしたほどだった。

 一方で物騒な事態にも発展している。なんとコラボ問題をめぐり都庁に対して爆破予告がされているのだ。それだけではない。複数のインフルエンサーの名前を挙げての殺害予告も同時にされている。

 昨年からコラボについて事実関係を粛々とツイートしてきた、東京都議会議員の尾島紘平氏は2日にツイッターで「コラボの件で殺害予告を受けました」と報告。添付された殺害予告の画像では、尾島氏だけでなくひろゆきこと西村博之氏、ツイッターでさまざまな情報を提供する滝沢ガレソ氏、NHK党参院議員の浜田聡氏ら約20人が「殺害する」と予告されている。

 また、都庁など複数の建物に対しても「毒ガスとプラスチック爆弾で攻撃する」「実行日時は2023年1月20日の午前11時31分だ」とされていた。

「都民ファーストの会」の尾島都議
「都民ファーストの会」の尾島都議

 尾島氏は取材に「ネット上にこの画像があったと教えてもらいました。コラボについて言及した人たちの名前が書かれているのだと思います。日時が明記されているので都庁は警備を強化することになるでしょう」と話した。

 殺害予告はメールの形をしているが、詳細は不明。もちろん誰が作成したのかも分からない。「女性差別勢力の拡大に抵抗する集団だ」と記してあるため、女性を支援するコラボを批判する人たちに対する脅しにも思えるが…。

 尾島氏は「単純に考えればそうですが、名前を挙げられた人の中にはコラボを擁護している人もいる。私も批判も擁護もしてない立場ですし、かく乱の意図も感じます」と真意をはかりかねている。

 今後、尾島氏は警察にも話をするとしており、捜査が始まる可能性もある。イタズラでは済まされない。