水木一郎「ルパン三世 愛のテーマ(ヴォーカル・ヴァージョン)」 

 12月6日に、“アニソン界の帝王”水木一郎さんが亡くなった。アニソンの歴史において水木さんは間違いなくレジェンドであり、この人が存在しなかったら、アニソンというジャンルの現在の隆盛はありえなかっただろう。今回は“四半世紀”より前の作品になるが、水木さんをしのんで特別編をお届けする。

「ルパン三世」のアニメシリーズの中でも、1977年にスタートした第2シリーズは全155話とエピソード数も最大で、おそらくファンに一番認知されているシリーズ。放送開始当初のオープニング曲はもちろん「ルパン三世のテーマ」、エンディングは「ルパン三世 愛のテーマ」。第1~26話まではユー&エクスプロージョン・バンドが演奏するインストバージョンだったが、第27~51話まではどちらもヴォーカル・ヴァージョンに切り替えられた。そのエンディング「ルパン三世 愛のテーマ」を歌ったのが水木さんだった。

 インストバージョン自体も作曲者・大野雄二氏のメロディーセンス全開のムーディーなフュージョンサウンドとなっていた。千家和也氏が詞をつけたヴォーカル・ヴァージョンは、さらにメロウさとエモーショナルさが加わり、当時ブームとなっていたAOR的要素もたっぷり。水木さんの歌唱によって、ボズ・スキャッグスのバラードにも匹敵する完成度の高さとなっていた。

 オープニング曲のヴォーカル・ヴァージョンはピートマック・ジュニアが担当したが、実は水木さんによるレコーディングも行われていた。放送当時は諸事情によりお蔵入りとなりレコードも発売されなかったが、2003年にはめでたくCD化された。水木ファン、ルパンファンは、こちらも必聴だ。