俺はマグロだゼーット! 「アニソン界の帝王」として親しまれた歌手の水木一郎さん(本名・早川俊夫)が6日、肺がんのため亡くなった。74歳だった。所属事務所が12日、発表した。水木さんは還暦を迎えた際には赤いちゃんちゃんこを嫌がり、かねて「マグロ」を自称していたほど、最期の最期まで「現役」にこだわった。

 事務所の発表によれば、水木さんは昨年4月末に肺がんが発覚し、入退院を繰り返しながら放射線治療や薬物療法を受けた。壮絶な闘病生活は1年7か月あまり。がんは脳やリンパ節に転移し、髄膜播種(はしゅ)も伴ったという。

 それでも本人は「生涯現役」を目標に、治療とリハビリに励んで活動を継続した。最後のステージは、亡くなる9日前の11月27日、東京・よみうり大手町ホールで行われた自身のライブ「ふたりのアニソン」。12月6日に救急搬送先の病院で亡くなった。

 通夜、告別式は密葬で営まれ、お別れの会は後日、行う予定。

 水木さんは1968年に歌謡曲の歌手としてデビュー。71年「原始少年リュウ」の主題歌でアニソン歌手として歩み始めた。72年放送開始の「マジンガーZ」の主題歌が大ヒット。「ゼーット!」と絶叫して右手を前方に突き出すのがおなじみだった。その後も「バビル2世」「ルパン三世 愛のテーマ」「仮面ライダー」シリーズなど特撮番組の主題歌も歌い、「アニソン界の帝王」「アニキ」などと親しまれた。香港やシンガポールでアニメソングのライブやイベントを開催するなど海外でも人気だった。

 事務所が生涯現役に触れたように、水木さんは還暦を迎えた際は赤いちゃんちゃんこを嫌がり、かねて「マグロ」を自称していたほど、最期の最期まで現役にこだわった。

 事務所関係者の話。

「デビュー40周年にして自身の還暦だった2008年、水木さんはソロライブを開きました。当時から生涯現役にこだわっていて『還暦』という言葉を嫌がっていた。だから、スタッフたちは還暦の赤いちゃんちゃんこではなく、皇帝を思わせる赤い〝皇帝衣装〟を用意したんです。ソロライブのステージ上で水木さんにサプライズでプレゼントしたら、本人は大喜び。それを着て『マジンガーZ』を熱唱しました」

 水木さんはトレードマークの赤いマフラーから「赤」のイメージが強かったが、生涯現役にこだわりがあったため、還暦の赤いちゃんちゃんこは嫌がった。

 生前、口にしていた言葉は「俺はマグロと一緒。泳ぎ続けていないと死ぬ」だった。

「これも生涯現役を意味していました」(同)

 タレントの中川翔子(37)やお笑い芸人とも親交があった。

「しょこたんや芸人さんと水木さんを囲んで食事する『アニキ会』で、親睦を深めていました」(同)

 中川は追悼コメントを発表。「一緒にゲームをしたり歌ったり本当に娘のように可愛がっていただきました」と明かし、「大きな愛と勇気を込めて生涯現役で歌い続けてくださった偉大な功績。アニソンという文化で世界中を救ってくれた、唯一無二の偉大な太陽です」と別れを惜しんだ。