また一人、看板力士が消えた。大相撲九州場所(13日目、福岡国際センター)、大関正代(31=時津風)が小結玉鷲(38=片男波)に一方的に押し出されて8敗目(5勝)。カド番で負け越しとなり、大関からの陥落が決定した。

 日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「集中力がなかった。立ち合いで当たれていない」と指摘。初場所(来年1月8日初日、東京・両国国技館)で10勝を挙げて大関に復帰する可能性については「すぐに復活する感じではない。今場所8勝できなくて、来場所10勝というのは…。内容が悪すぎる。自分の相撲を取り切った印象がない」と悲観的な見方を示した。

 9月の秋場所の御嶽海(出羽海)に続いて、2場所連続で大関が陥落。来場所は1横綱1大関となる。看板力士が激減する状況を受けて、協会トップは「親方衆が頑張って、いい力士を育てないといけない」と危機感をにじませた。