酒と健康に関する著書で知られ、数多くの医師を取材している酒ジャーナリストの葉石かおり氏が、自分も大好きな酒を元気に飲み続けるためのコツを探ります。

 

 深酒をした翌朝、まつ毛を触ると妙に弾力がある。その瞬間、「ああ、またやってしまった…」と愕然とする。そう、酔っぱらって、化粧したまま寝てしまったのだ。こういう時は大概、空腹で酒を飲んでいる。もう10年近く健康とお酒をテーマに執筆しているのに、いまだやらかしてしまう。でも空腹で酒を飲むって、たまらないのだ。空っぽの胃に酒が染み渡るあの感覚が。

 いや、しかしカラダのためには、そんなことは言っていられない。記憶をなくすまで泥酔しないようにするには、「飲む前に摂っておきたいもの」がある。それは「油分を含む食べ物」だ。油分を含む食べ物を最初に摂っておくといい理由は、酒が胃で長くとどまり、小腸へ到達する時間を遅らせるから。小腸には腸絨毛と呼ばれる突起があり、それを広げるとテニスコート一面分あると言われている。したがって、胃の面積よりもはるかに大きいため、アルコールの吸収も早いというワケだ。

 といっても、から揚げや天ぷらといったハイカロリーのつまみを選んでしまうと、今度は中性脂肪の増加につながってしまう。同じ選ぶのなら、カルパッチョ、アヒージョ、マリネといった、オリーブオイルを使ったものがいい。またはドレッシングやディップに油を使ったサラダ、野菜スティック、厚揚げなどもおすすめだ。

「もっと手軽に」ということなら、コンビニでも買えるチーズでもいい。「チーズより、胃に膜を張る牛乳のほうがいいのでは?」と思うかもしれないが、医師によると「膜は張らない」とのこと。牛乳にも油分は含まれているが、液体ゆえ、胃に長くとどまる時間は固形物であるチーズのほうが長い。これからは「飲む前の牛乳」ではなく、「飲む前のチーズ」で、悪酔い、二日酔いを予防しよう。