群馬県の前橋競輪場(日本トーターグリーンドーム前橋)で熱戦を展開してきたGⅠ「第31回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」は23日の最終日、12Rで決勝戦が行われた。レースは4角で最内コースを抜け出した新田祐大(36=福島)がV。2019年8月の名古屋オールスター以来、自身8回目のGⅠ制覇とともに、史上4人目となるグランドスラムを達成した。

 昨年の寬仁親王牌は決勝で失格。さらに今年5月には全身全霊で挑んだ地元・平での日本選手権の指定練習で落車し大ケガを負うなど、順風満帆な道のりはとは程遠かった。そんな過酷な旅を乗り越えての歓喜の優勝だった。

 レースは「内に詰まり続けて最終バックもすごいことになってしまった…」と絶体絶命のピンチからイン強襲。最後は外を伸びた守沢太志と際どい勝負になり「差されたと思った。グランドスラムは簡単じゃないな、また来年か…」と諦めかけたが、優勝と知ると「当事者というより、観客的な気持ちでゾワッと鳥肌が立った」。やってのけた事の大きさを実感した。

「永沢(剛)さんや小松崎(大地)さん、新山(響平)や、守沢(太志)、和田(圭)らに気を使ってもらいながらレースに集中して挑めた。自分一人で成し遂げたことじゃない」と仲間への感謝も忘れない。

 また「ここでGⅠの決勝に初めて乗って山崎(芳仁)さんの優勝に貢献できた。思い出の地での優勝は感慨深い」。前橋は新田にとって一生忘れられない地になったようだ。

 これで12月30日に平塚で行われるKEIRINグランプリ2022の出場も決定。「12月に手術をするつもりだったけど、スケジュール調整をしないといけない」。うれしい悲鳴を上げながらも、今度は自身初のGP制覇へ視点は定まった。