自民党の井野俊郎副防衛相(42)事務所が、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関係者に対し、パーティー券購入などを依頼した見返りに国会見学をさせていた疑いが持たれている。

 共産党の山添拓参院議員は20日、参議院予算委員会で井野氏に対し、井野氏が所属する平成研究会(茂木派)のパーティー券合計8万円を旧統一教会関係者が購入したかについて質問した。

 井野氏は「8年前のことです。私はこれを指摘されるとは認識していませんでした。パーティー券の購入ついては、政治資金規正法に従って処理していきます」と語った。

 山添氏は「(旧統一教会関係者に)買ってもらった事実があるのか」と追及。井野氏は「現時点においては資料等がなく、確認できていません」と答弁した。

 パーティー券購入の見返りに旧統一教会関係者を国会見学させたかどうかについては「私の支持者が国会見学を希望した場合は行います。その中に(旧統一教会関係者がいたかは)私自身、把握していません」。自民党への入党や選挙応援の有無について、井野氏は「私としては支持者という関係だと認識しています」と語った。

 自民党は所属する国会議員に旧統一教会の接点があるかないかアンケート調査を実施し、既に公表したがその中に井野氏の名前はなかった。

 山添氏は岸田文雄首相に「井野副大臣の件は、自民党の点検では出てこなかった。個人まかせの自主点検では、やはりダメではないか。党として責任を持ち調査すべきではないか」と提言した。

 岸田首相は「(政治家)本人の説明が重要であります。自民党は本人からの報告を受けてガバナンスコード(管理監督の仕組み)改訂を具体的にして、党としての信頼につなげていきたい」と語った。

 旧統一教会との関係を断ち切ることは一朝一夕に進まないようだ。