アイドルグループ「SKE48」が5日、14周年を迎えた。AKB48の姉妹グループ第1弾として2008年に誕生したSKE48は名古屋・栄を拠点に活動。9月24、25日に日本ガイシホールで行ったコンサートも大盛況となった。名古屋発のアイドルグループが成功した理由、そして15年目の課題とは――。

「高柳明音ちゃん、大場美奈ちゃんと一緒に客席で見ていたんですが、みんな〝すごいね〟って感動していました。2日間3公演すべて違うセットリストって覚えるのは本当にたいへんなんですよ。メンバーは頑張ったと思います。すばらしかった!」

 9月24、25日の2日間、名古屋・日本ガイシホールで行われたコンサートを観覧した卒業生の松村香織(32)は後輩たちが見せた熱いステージに目を細めた。ムービングステージや大型LEDビジョンを駆使したド派手演出もあったが、何よりメンバーの気迫のこもったパフォーマンスに満員の会場は大きな拍手に包まれた。

 SKE48は20年、21年とも9月に日本ガイシホールで大型コンサートを予定していたが、いずれもコロナ禍のため中止となっていた。実は昨年のコンサートではMCなしの100曲連続パフォーマンス(公演時間は約5時間の予定だった)が企画されていたが、それも幻に。だが24日の古畑奈和、須田亜香里の卒業コンサート、25日の14周年記念コンサートの3公演でコロナ禍を吹き飛ばす勢いを見せつけた。

 コンサートの最後には今年の冬から愛知県の飲食店応援プロジェクト(SKE48の劇場公演チケットを持っている人に地元の対象店舗で10%の割引を実施)の開始が発表された。SKE48を運営する株式会社ゼストの田村謙典執行役員によれば「演目を一新することも含めて劇場チケットの価値を上げたいと考えていました。以前CMに出演させていただいた『和食麺処サガミ』さんやコラボ企画でお世話になった『世界の山ちゃん』さんなど地元飲食業界の皆様にご協力いただいて実現しました」という。今回のコンサートには地元企業を中心に50を超えるフラワースタンドが届けられ「地元の皆様に愛されていると実感しました。本当にありがたいです」とメンバーもスタッフも感激。名古屋での地盤の強さを感じさせた。

 ここまでの14年間、全力パフォーマンス、そして地元密着スタイルがグループ成長の原動力となっていた。今年に入ってからは入場制限緩和や市場環境、マインドの変化などもあってSKE48事業の収支は大幅に改善。コロナ禍からの脱却に向けて本格的に動き出そうとしている。

 だが15年目に向けて課題もある。これまで中心となってグループを支えてきた須田亜香里(30)が11月1日で卒業。「須田さんのような全国的に知名度のあるメンバーが今のSKEにはいない」(在名テレビ局関係者)と指摘されている。また「私は今、東京に住んでいるんですが、こちらでは最近なかなかSKEの活動をテレビなどで見ることができない。名古屋だけでなく全国でも、もっと活躍してほしいです」(松村)という声も出ている。

 秋元康総合プロデューサーが生み出した「AKB48グループ選抜総選挙」という画期的なイベントが行われていたときには地方グループにも、そこに在籍するメンバーにも全国に名前を売るチャンスがあった。

 だが、総選挙は18年を最後に開催されておらず、48グループも分社化が進んでグループ間の関係も希薄化。名古屋という地方都市をベースにしながら、活動の幅を広げていくためには、いかに多くのファンを引き付ける魅力的なサービスを全国に発信できるかが重要となってくる。

 そこで大きなカギを握りそうなのがSKE48が現在、行っている新公演プロジェクトだ。5月からチームSが新公演「愛を君に、愛を僕に」を開始したことでチームS公演の応募倍率は大幅にアップ。東京や大阪を含む新規ファンの開拓につながった。12月からはチームKⅡの新公演「時間がない」がスタート。「これだけ多くのアイドルグループがある中で、やっていることが変わらなければ名古屋という場所のSKE48に(ファンが)来る理由はないと思う。だからこそSKE48にしかできないことを見つけてやっていく。新しいことにチャレンジしていきます」(田村執行役員)と意欲的だ。

「SKE48というグループは夢に向かってみんなが真面目に、がむしゃらに頑張っている場所なんです。15年、20年とこれからもずっと続いていってほしいです」(松村)。15年目の飛躍に向けて次にどんな手を打ってくるのか注目だ。