“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人をピックアップ。今回は女芸人ナンバーワン決定戦「THE W 2022」2回戦で、新道が最も目立って面白いと思ったという女性ピン芸人を紹介する――。
【プロフィル】
芸名‥センス爆発女
所属‥プロダクション人力舎
養成所‥スクールJCA18期生(2009年入学)
生年月日‥1986年6月21日
「THE W 2022」で準決勝まで勝ち進んでいる芸人さんです。「THE W」は1回戦が動画審査で、2回戦以降は舞台でネタを披露する通常の審査になります。今年の2回戦には289組が出場して、準決勝に進出できたのは38組というものすごく狭き門。「THE W」では例年、準決勝進出をかけての戦いとなる2回戦の舞台が一番と言っていいほど、熱い戦いが繰り広げられます。
勝ち上がるためには、どれだけ観客を笑わせるか、どれだけ審査員に響くかという2つの要素が重なり合うことが求められる。大きな笑いを取ったのに敗退した実力のある芸人さんもいました。ネタの強さで合格率を上げることはできると思いますが、それと同時に運の強さも必要です。
今年の2回戦は大阪で2日間、東京で3日間ありました。僕は女芸人マニアなのですべて見に行きましたが、個人的に特に目立って面白いと思ったのがセンス爆発女さんです。何とか合格してほしいと願っていたので、実際に準決勝進出者に名前があるのを見て、とてもうれしくなりました。やっぱり自分が面白いと思った芸人さんが勝ち上がると、とてもうれしいものなんです。
センス爆発女さんは主にフリップ芸をやられていますが、このフリップ芸が他の芸人とひと味違います。面白いのは自分として話をしないところ。どういうことかというと、フリップの中に登場人物が2人出てくることが多いのですが、その登場人物の会話のみでネタが進んでいくんです。
フリップ芸を行う芸人も、普通は舞台に登場してまず「どうも~、センス爆発女です。よろしくお願いします。今日は…」などと自己紹介のような発言があってからフリップをめくり出すと思うのですが、センス爆発女さんはそういった発言をすべて省略。黙ってフリップをめくり、描かれている登場人物が話し出してネタが始まります。
ネタの本題に入るまでがとにかく速い! ネタによっては、ネタに入ってからまるまる1分ほどストーリーだけが進んでいき、その間全く笑いを取らない、というネタもあります。しかし絵がとてもうまく、ストーリーもしっかりしているので、笑いはなくても見入ってしまうんです。
そして1分を過ぎたあたりからドカドカ笑いを取りはじめ、気づくとまたストーリーに戻っていきます。そのスタイルは、気を抜いたら急に攻撃してくるボクサーのようでもあります。
またフリップ芸は絵で笑いを取ることが多いですが、センス爆発女さんは絵がボケにはなっていない。それも特殊なところかもしれません。フリップをめくって笑いを取る、というところがないのです。
センス爆発女さん自身は登場せず、登場人物の会話だけで笑いを取るスタイルは、いわば“現代版の落語”と言えるかもしれません。キャラクターの会話劇がとても面白いうえ、フリップがあるので見ている側はストーリーが頭に入りやすい。この新しいスタイルに魅了されてしまいました。
普段のセンス爆発女さんは相撲が大好きで、力士をとてもリスペクトされています。「とにかくもう大相撲を愛する日々を綴るdiary」という、相撲だけに特化したブログもやっているので、興味がある方はぜひご覧になってください。
いま芸歴12年目で、芸歴10年以下という制限ができた「R―1グランプリ」には出場できないので、何とか「THE W」で勝ち進んでほしい。準決勝は11月10、11日の2日間、東京・新宿のルミネtheよしもとで行われます。もちろん準決勝は強豪揃いなのでどうなるか分かりませんが、個人的には決勝で見たい芸人さんの一人です。
☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。












