“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人をご紹介。今回は、プロボクサーとして約9年間活動していたという、異色の経歴を持つ女性ピン芸人を取り上げる――。
【プロフィル】
芸名‥カイちゃん
本名‥甲斐久美子
生年月日‥1981年8月28日
所属‥吉本興業
養成所‥NSC大阪41期
最終学歴‥カリフォルニア州立大学卒業
登場してすぐ伝わるキャラクターで、表現力が非常に高く、初めて見た時に気になりました。彼女が興味あることなら、全部おもしろく見えてしまう。ネタでは独特のしゃべり方で小道具を使うことが多い。
ボクシンググローブを手にはめながらフリップネタをしたり、マウスピースを口に入れたまましゃべったり、バランスボールに立ちながらネタをやったり…自分に負荷をかけながらネタをやることが多いです。
ネタの伝え方が分かりやすく、老若男女、誰にでも伝わる表現力に注目してしまいます。しかしなぜ、9年間も続けたプロボクサーから芸人に転身したんでしょうか? 本人に聞いてみたところ、いろんな思いがあったようです。
――昔からお笑いは好きだった?
「関西人なので子供の時から吉本新喜劇とか好きで、学校でもお笑いのノリみたいなことをしていました。芸人に憧れていましたが勇気と自信がなくて、将来の進路を決めるときにその気持ちにフタをしていました。大人になってボクサーになってから、ある日『ガキの使いやあらへんで!』の『山―1グランプリ2013』で初めて見た、尼神インターさんの漫才が本当に面白かった。昔から憧れていた山崎邦正(現・月亭方正)さんがその時、思いっきり笑っていたので、『やっぱり自分の笑いのツボは山ちゃんとおんなじなんや! 間違ってない』と自信になりました」
――でも、すぐに芸人にはならなかった
「2016年3月に女子レスリング金メダリストの吉田沙保里さんとお会いする機会があって、まだ何もしゃべってないのに『君は面白いからテレビに出た方がいい』って言ってもらった。『“霊長類最強の女”の嗅覚やから間違いない!』と自信になって背中を押されましたが、その時はボクサーだったので、まだ心の片隅にしまいました。その年の6月に大事な試合に負けたので引退しようと思って、高校時代のバスケ部の先輩方に進路相談したら『芸人なったらいいやん』って言われて、すごく心に残りました。しかしボクシングもまだ燃え尽きてないと思い直し、芸人の道は置いといて現役を続行しました。そして17年の秋ぐらい(ボクシングを始めて9年目)、朝のロードワークをしていたら『ずっと9年間、生活変わらへん。バイトして練習しての繰り返しや』と。冷静になって、ボクシングでお金を稼いでないことに気付きました」
――稼ぐために芸人になった?
「どうやったら稼げるんやろうと思っている時、武井壮さんの考えを知りました。武井さんの考えは、マイナースポーツの選手が食べていくために選手が宣伝塔になればいい、有名になってスポンサー収入を得たらいいというもの。ご自身が陸上選手であるために、タレントとして頑張って有名になったそうです。そこで私は『自分だったらタレントじゃなくてお笑い芸人で有名になって、スポンサーつけてボクシングをしたら、バイトも辞められるし、ボクサーを続けられて芸人にもなれる』と思って、養成所の入学を決めました」
――リスペクトしている芸人さんは?
「村上ショージ師匠です」
――ネタはどうやって作ってる?
「自分が見た夢(きばったらお尻からソフトクリームが出てきた)をヒントにしたり、『どうやったらマシュマロキャッチを1人でできるか!』と考えたら、『マシュマロキャッチ専用機を作ったらいい!』と思い立ち、マシンを完成させて、その発明品を披露するネタができたときもあります」
まだまだ無限の可能性を持つカイちゃん。これからも見続けていこうと思います。
☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。












