“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は結成してまだ3か月半ながら、女性同士では珍しい政治ネタ、時事ネタを武器にしている漫才コンビを紹介する――。
 (隔週連載)

【プロフィル】
 コンビ名‥パンダえんぴつ
 結成‥2022年6月1日
 所属‥フリー
 立ち位置右‥田神花捺
 生年月日‥1992年9月18日
 好きな芸人‥爆笑問題
 立ち位置左‥パンダ
 生年月日‥1997年10月2日
 好きな芸人‥志村けんさん

 とにかくすべてが珍しい女性漫才コンビです。まずネタなのですが、政治ネタ、時事ネタを武器にした漫才をやっています。政治ネタ、時事ネタを斬る漫才は爆笑問題さん、ナイツさんなど男性コンビではいますが、女性コンビとなると、私はほとんど見たことがありません。

 このコンビは舞台度胸がすごい! パンダさんがベラベラしゃべる姿は、ずぶといのか努力家なのか分からない。田神さんも受け答えがしっかりしており、それに加えていい声をされている。渋谷クロスFMというインターネットラジオ局の番組に出演されていますが、しゃべりがしっかりされているのでとても聴きやすいです。

 田神さんはもともと舞台役者をやっていましたが、その後「ニコニコえんぴつ」という女性コンビで活動していました。しかし相方であるニコニコ役の方が辞めてしまい、えんぴつ役の田神さんだけが残った。そこにパンダさんが加入して「パンダえんぴつ」として活動をスタートしました。

 パンダえんぴつさんは事務所に所属していないので、芸人だけでなく自分たちのマネジメントもしながら活動しています。芸人として表に出ながら裏方の仕事を同時にやっているのです。ただ役割分担があって、漫才のネタを書くのはパンダさん。コンビの売り込みとプロモーションをやっているのが田神さんです。

 つまり、芸人がマネジャーとコンビを組んでいるのと同じ状態。あまり見たことがないコンビ形態ですが、相方であるマネジャーの田神さんが必死に仕事を取ってきてくれるので、パンダさんも心強いようにも感じます。企業に付いてもらい、自分たちと知り合いの芸人をイベントに呼んで、ネタをやったりしているようです。

 ある日、田神さんのツイッターに「グラビアをやってみませんか」というダイレクトメッセージが来たのですぐに引き受け、今年6月には水着のグラビアDVDを4000円で発売しました。ただ現在、売れているのは4枚だけだそうで…。いずれにせよフットワークが軽く、すぐに実践する行動力は素晴らしいと思います。

 ネタ作りを担当するパンダさんはずいぶん奇抜な格好をされていますが、もともとは介護士をされていました。介護士と17LIVEのライバー(ライブ配信者)を同時にやっていた時期があり、配信の収入が介護士の収入を上回ったため、介護士を辞めてライバーとして活動するようになったそうです。

 当時から今と変わらず、パンダのかぶりものをしながら配信を1年間続けました。ただ1年とは思えないほど配信時間もとても長かったらしく、現在のしゃべりを見る限り、この1年でかなりのトークスキルを手に入れたようです。

 ライバーとして活動している時期にラジオで知り合った田神さんとコンビを組むことになりました。芸人をやりながら、今年7月からは訪問看護ステーションの社長も務めているそうです。

 パンダさんはとにかくトークがうまく、テンポも速くてコンスタントにボケまくる。「女性版ザキヤマさん」と言ってもいいぐらいです。またトークの場では、相方の田神さんに非常に厳しい。あまりボケないでいると「ボケないってボケをするんですよ」などと皮肉を言ったりして、先輩である田神さんに人前でも平気でダメ出しをしています。

 お笑いだけでなく、いろんな分野で活動する2人の今後に目が離せません。

 ☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。