TBS系報道番組「news23」が来年3月に終了するとの情報をキャッチした。同番組メインキャスターでフリーアナウンサーの小川彩佳(37)の卒業は内定していたが、それどころではなく番組自体の終了にまで踏み込み、新たな報道番組の開始を検討するというのだ。今月2日で放送33年。TBSの看板報道番組が岐路に差し掛かった。

「news23」をめぐっては動きがあったばかりだ。同番組キャスターで同局の国山ハセンアナ(31)が1日、ツイッターで「年内いっぱいでTBSテレビを退社する事となりました」と報告。同番組の出演も年内いっぱいとなる。

「news23」は小川アナが番組の顔で、国山アナが支え、同局の山本恵里伽アナ(28)が現場キャスターの〝トロイカ体制〟。視聴率ではライバルの日本テレビ系「news zero」に平均個人視聴率でダブルスコアをつけられる2%台(関東地区、ビデオリサーチ調べ)で苦しんでいる。8月に報じたように、小川アナは卒業する可能性が取りざたされ、実際に卒業は内定した。

「小川さんの卒業は既定路線でした。当初は今年10月の改編期でしたが、7月の参院選、そして突然起きた安倍晋三元首相の銃撃事件の対応に局内が追われ、続投することになったんです」(テレビ局関係者)

 とはいえ、TBSとしても看板番組の視聴率低迷は看過できない。

「上層部は『news23』を〝刷新〟することをテーマに議論を開始。小川さんを含め3人のキャスター陣総替えを内定しつつ、新たな報道番組を立ち上げることを検討しています」(同)

 リベラル派ジャーナリストの筑紫哲也さん(故人)をメインキャスターに招き、「筑紫哲也 NEWS23」として1989年10月2日にスタート。オウム真理教による坂本弁護士一家殺害事件のきっかけとなったTBSビデオ事件で同局が謝罪した際、筑紫さんが「TBSは今日、死んだに等しいと思います」(96年3月放送)と斬ったことは語り草だ。

 筑紫さんの病気療養を機に、2008年3月にメインキャスターの冠名を外して「NEWS23」と改題。筑紫さんは同年11月に死去し、「NEWS23X(クロス)」とした後に「NEWS23」に戻り、現在の番組名に落ち着く。放送33年を迎えた今も「――23」ブランドを堅持しているが、筑紫さんが源流だ。

 番組のテコ入れはTBSの長年の課題だったが、このタイミングで終了が検討されるきっかけは何だったのか。

「筑紫さんが亡くなって14年もたつ。往年の『NEWS23』主要スタッフはTBS内で上層部になりました。その人たちが『news23』に引導を渡すべく調整しているようです」(同)

 国山アナの退社が「news23」の行方にどれだけ影響したかは不明だが、小川アナの卒業内定、国山アナの退社、「NEWS23」主要スタッフの出世――と、「news23」の終了を決断する環境は整っている。