スキマスイッチが2枚目のシングルとして2004年に発売した「奏(かなで)」は、当時のオリコン最高位こそ22位と決して“大ヒット”ではなかったが、今ではすっかり「全力少年」などと並ぶ代表曲に。カバーバージョンも広瀬香美、JUJU、髙橋真梨子など40人ぐらいが取り上げているバラードの名曲だ。

 そんな数あるカバーのひとつが、このバージョン。14年4~6月放送のアニメ「一週間フレンズ。」エンディングテーマで、友達との記憶が1週間しか持たないというヒロイン・藤宮香織を演じた声優・雨宮天が歌ったものだ。

 スキマスイッチのオリジナル自体が素晴らしい楽曲だけに、誰がカバーしても胸を打つのだが、このバージョンはヒロインの境遇も踏まえて、その声でエンディングに流れてくると、もう涙腺が緩んでしまって仕方がない。もともとアニメのために作られた曲ではないのだが、歌詞の持つ意味がまた一段と深く聞こえてくる。「奏(かなで)」という曲は多くの方が知っていると思うが、もしこのバージョンを耳にしたことがなかったら、ぜひ聴いてみていただきたい。

 余談だが、アニメの最終回放送の翌月に、フジテレビ「ミュージックフェア」に雨宮天が出演し、なんとスキマスイッチと一緒にこの曲を披露した。オリジナルアーティストとカバーアーティストの共演というのは時々あるが、驚いたのはスキマスイッチがリードを取らず、完全にバックに徹して雨宮天をフィーチャーしたことだ。“本家”がコーラスを付けたぜいたく極まりないカバー。この時のバージョンがもしかしたら一番感動的な「奏(かなで)」かもしれない。