水素水を経口摂取するよりも水素を多く体内に吸収できるのが水素ガス吸引器だ。さまざまな製品が登場しているが、どんな機種を選べばいいのか、専門家に聞いた。 

【鼻にチューブをつけずに】

 一般に水素吸引をする機器は、水素ガス発生器からチューブ(カニューレ)をつないで鼻に装着するものが多い。その中で、「鼻へのチューブ装着が不要な『フレアー』という製品が人気です」とアドバイスしてくれたのは、水素吸引器を中心とする専門商社ユーピー(横浜市旭区)の橋本克之社長である。

 この製品は、上部にある吹き出し口から空気で包み込まれた水素がスパイラル気流として吹き出される。医療機関などでは鼻へのチューブ装着をする機器はよく使われるが、やはり拘束感があるのは否めない。特に家庭内などでリラックスして使いたい人たちに人気が高いという。

 使い方は簡単だ。吸入器のスイッチを入れ、くつろいで深呼吸をすれば水素が体内に取り込まれる。また睡眠中に水素吸引をしながら「おやすみモード」で自動電源オフなどという使い方も可能だ。

 2021年に登場した最新製品で、フラックス(横浜市中区)というメーカーがつくっている。希望小売価格は27万円(税別)。

【まだまだある】

 その他の水素吸引器では、水素研究の第一人者である太田成男氏が推奨する「水素分子生成器HF―300」も信頼度が高い。一般的な鼻からチューブで吸入する方式だが、純度の高い水素を発生させる。ナノコ(東京都品川区)というメーカーの製品で、価格は80万円(税別)である。

 また「ハイジ」という機種は、純度99・9%の水素を生成するが、空気と混合して水素濃度4%の水素ガスを安定的に供給するのが特色だ。水素ガスは濃度10%以上だと爆発の危険もあり、その心配なく利用できる。TR&K(東京都新宿区)という医療機器メーカーがつくっており、価格は48万円(税別)。

 水素人気は吸引器だけではない。「水素吸入が人気になった影響で、関連して水素製品全般が売れるようになっています」と橋本社長は言う。中でも、「水素発生入浴剤」「浴槽用の水素発生器」「ペット用給水器の水素発生機能付き」などの目新しい商品が注目される。

 水素発生入浴剤は50グラムほどの入浴剤を浴槽に入れ、高濃度の水素を発生させるものだ。水素が浴槽全体に広がり肌から吸収される。水素発生が12時間ほど持続するが、1回分は数百円程度だ。

 浴槽用の水素発生器はメーカーにより機能もさまざまで製品価格は数万円から十数万円ほど。ペット用は数万円程度だ。

 さらには、水素人気が再び水素水にまで目を向けさせている。水素吸入が効果があるのなら、水の形で飲んでもいいのではないかと考えるのだろう。水素水に類似するアルカリイオン水のイメージも印象を良くしているかもしれない。