日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(65)が、札幌市と進める2030年冬季五輪招致について「最後の最後まで全力を尽くす」と改めて力説した。

 30日は都内で定例会見を行い、9月に札幌市の秋元克広市長とスイスの国際オリンピック委員会(IOC)本部を訪問する方向で調整していると明言。「秋元市長から札幌市とミュンヘン市が姉妹都市50周年で、ミュンヘン市を訪問する前にIOCも訪問したいという意向を伝えられた。そこで札幌2030招致に関して、今の状況を求められれば説明することもあると思う」。一部ではトーマス・バッハ会長と会談するとも報じられているが、この日は「面会者は調整中で確定していないのでコメントできない」と話すにとどめた。

 30年冬季五輪招致を巡っては地元札幌市で賛否が分かれ、市民の理解を得られるかがポイントになっている。ところが、東京五輪・パラリンピック組織委員会元理事の高橋治之容疑者が受託収賄容疑で逮捕されたことを受けて、山下会長が「五輪・パラ全体のイメージが損なわれてしまった」と話すように、支持率低下が懸念される。

 山下会長は「招致を目指いている中で自分たちにできることは透明性を確保していくことと、同じことを繰り返さないこと。東京2020の経費含めて、札幌に関しても費用面で地元の負担が増えるんじゃないかと。そういう不安が機運が高まらない理由の一つと考えている。機運が盛り上がらないまま候補地に決定したら厳しい。ただ、盛り上がらなかったらではなく、どうやって盛り上げていくか。それが何よりも求められている。可能であれば丁寧な説明が理解されて選ばれることが望ましい」と話す。

 さらに、一定数の支持を得られなかった場合に招致活動から手を引く可能性を問われると「そういった意見は(25日の)理事会でまったくなかった。私もそのつもりはない。札幌2030の趣旨を理解してもらえるように、やれることを最後の最後まで全力を尽くす」と言いきった。

 現状は「プロモーション委員会、札幌市、五輪・パラ、冬季競技団体も一生懸命やれることをやっているが、それが機運醸成にはつながっていない。疑念や不安を持たれないように丁寧な説明に努めていく。それ以外に特効薬みたいなものはない」(山下会長)。それでも30年冬季五輪招致に向けてJOCに歩みを止める選択肢はないようだ。