分裂から6年。特定抗争指定暴力団「山口組」と「神戸山口組」の抗争が大きく動いた。神戸山口組の井上邦雄組長の出身母体である名門「山健組」が、山口組と合流することがほぼ確実となったのだ。弱体化が進む神戸山口組に対し、攻勢を強める山口組。東京五輪・パラリンピックが閉幕し、総攻撃に打って出るとの見方も急浮上しているが、果たして――。
山健組(中田浩司組長=殺人未遂罪などで起訴され勾留中)は昨年7月、神戸山口組から離脱。同年9月、神戸山口組は中田組長を除籍処分とした。
「離脱した山健組に対し、山口組は『手を出さないように』との通知を出していたようです。いずれ復帰することを見越してのことだったと言われています」(暴力団に詳しいジャーナリスト)
先月末、山口組と山健組の幹部が極秘で会談し、電撃復帰が決まったという。来週にも復帰が決まる予定だ。
10日には一部で「兵庫県警は神戸山口組から山健組が離脱したと断定」という報道があった。1年以上前に事実上、離脱していたことは兵庫県警も分かっていたにもかかわらず、今になって〝断定〟したのは、「神戸山口組から離脱したら、いろいろな制限を掛けられる特定抗争指定暴力団から外れてしまうから。実際に山健組の一部は神戸に残っていることもあり、内部抗争ということで処理してきた。ここにきて離脱と正式に断定できたのは、同じく特定抗争指定暴力団の山口組に復帰するという堅い情報を持っているからではないか」(前同)。
井上組長の出身母体である名門の中核団体が、神戸山口組から離脱するだけではなく山口組に復帰するとなれば、分裂抗争の局面が大きく動くことは間違いないだろう。
「大前提として、現時点でも山口組はかなり勝利に近い場所にいる。山健組まで戻ってきたら、ますますその地位を確固たるものにするだろう。山健組の勢力が加わるということだけではなく、心理的な影響も大きい」(暴力団事情に詳しい関係者)
山健組の復帰に伴い、山口組の攻勢はさらに強まるとみられている。つい先日、東京五輪・パラリンピックが閉幕したからだ。暴力団は国家的イベントの時には抗争を控える傾向にあり、終了後に動きを起こすことが多かった。
「山口組としては早期に分裂抗争を終わらせることを目指している。それを実現すべく、この秋に一気に攻撃を仕掛けると言われている」(前出関係者)
ただその一方で、特定危険指定暴力団「工藤会」の野村悟総裁(控訴中)に一般市民襲撃4事件で死刑判決が下ったことが、分裂抗争の行方を左右するとの指摘もある。
「直接証拠がない中で組織のトップの刑事責任を認めた判決は、ヤクザ社会にとって大きな衝撃だった。山口組が『公共の場で銃を使うな』という趣旨の通知を出したのも、その影響があったからだとみられています。路上で銃撃とかは減るかもしれません」(前出ジャーナリスト)
山口組分裂抗争もいよいよ最終局面だ。












