新型コロナウイルスの猛威は男女関係にも影響を及ぼしている。感染拡大を受けた緊急事態宣言が出された7都府県のみならず、その他のエリアでも外出自粛が呼びかけられ、テレワークなどの在宅勤務が進む。夫婦が自宅でともに過ごす時間が多くなったことで、家庭環境はさまざまな“化学変化”が生じた。中でも“不倫事情”がコロナ禍で大変なことになっているようで…。

 夫婦共働きが普通のこのご時世、一緒になるのは朝や夜寝る時、週末だけだったりと、すれ違いが多かった家庭も多い。少なくとも通勤時間、就業時間を含め、約10時間はそれぞれ別の社会生活を送っていた夫婦が毎時毎分、同じ家で過ごすことになったのだから、この変化は“革命的”ともいえる。

 若くてラブラブの夫婦なら、1日中イチャついていられるし、おしゃべりもできる。来年にはコロナベビーブームがくるかもしれない。とはいえ、いいコトばかりのはずはない。

“中堅やベテラン”の夫婦では、お互いの嫌な面ばかりが見えて、ケンカも絶えない。世界各国では、コロナDVやコロナ離婚も社会問題となり始めた。

 ツイッターなどで「コロナ離婚」と検索すると、出るわ出るわ…。「夫が家で何もしない。ストレス源でしかなくて、コロナ離婚って言葉が流行るのも分かる」「亭主関白のわがままで自己中心的。絶望しかない。コロナ離婚する」「父親がずっと家にいて理不尽に暴力振るってくる。両親がコロナ離婚してくれないかな」「殺意が芽生えて本当に殺しそうだから、コロナ離婚しなきゃ」など、流行語となっている。

 一方、平時の離婚原因となる不倫の状況にも変化が出ている。

 子供が休校になり、家で相手に追われる専業主婦はノイローゼ寸前。不倫相手に会えず、欲求不満になっているかもしれない。社内不倫カップルも、テレワークのため、会えない状況になっているようだ。

 新型コロナ禍の不倫事情について、キャビンアテンダント、モデル、六本木の高級クラブママを経て女流官能小説家となった蒼井凜花氏が分析した。新著「ハメるセールスマン」(二見文庫)では、リストラされて化粧品の訪問セールスマンに転じた主人公が、訪問先で欲求不満の人妻と不倫するなどアバンチュールを楽しむ様子を描いている。

 その蒼井氏は「新型コロナの影響で、不倫は大きく二分されていると感じます。まずは外出自粛を機に不倫をやめるケースです。万が一、感染していた場合、保健所が“濃厚接触者リスト”“感染ルート”の聴取をすることになります。不倫がバレてしまう可能性もゼロではありません」と話す。

 実際、保健所の聴取では感染から2週間内の食事や会合した相手を事細かに調べられる。もし不倫相手からうつされてしまったらと考えると、大変な事態を招きかねない。自粛期間が長期化すれば、不倫の過ちを反省し、冷え切っていた夫婦関係が良好になるケースもあるかもしれない。

「もう一つは、今は我慢の時とひたすら待ち焦がれるケースです。会うことを避け、その分、メールや電話で愛を温め合い、コロナ騒動が沈静化したタイミングで再会する。このようなカップルも多いと感じます」(蒼井氏)

 何か月も耐えた上でのセックス…とんでもない気持ち良さだろう。

 小池百合子都知事は密閉、密集、密接を避ける「NO!3密」を叫び、CMも頻繁に流れている。蒼井氏は「『NO!3密』に“密会”が入っていないことにホッと胸をなで下ろす不倫カップルもいるかもしれません」と話す。ごく一部では、これまでどおり、ひそかに会っているカップルもいるのだろう。

 新型コロナの感染拡大はいまだ進行中で、自粛は始まったばかり。社会の仕組みを変えてしまった新型コロナのパンデミックは、不倫カップルや夫婦関係にどんな影響を与えることになるのか――。