福島県のいわき平競輪のGⅠ「第76回日本選手権競輪」は7日に5日目を開催し、最終日(8日)に行われる決勝メンバー9人が出そろった。
九州競輪界きってのご意見番、荒井崇博(44=佐賀)が脚と口をキレ良く回して大舞台に帰ってきた。GⅠ決勝ともなると、2013年6月の岸和田「高松宮記念杯競輪」以来、約9年ぶり。
その間「一時期はGⅠに乗れなかったし、腐りかけていた」とくすぶっていた時期もあったが、後輩たちが上位クラスで戦う姿が、再ブレークへの大きなモチベーションとなった。
「やっぱり(井上)昌己と(中川)誠一郎がおったから。2人は1個下だけど、ほぼほぼGⅠを外していなかったでしょ。そりゃ自分も走りたいよね」
特に中川とは定期的に合宿を行い連日連夜、酒を酌み交わす間柄。実戦ではどちらが先に通算500勝を達成するかを競うなど切磋琢磨している。
九州勢は前回GⅠ決勝に乗った9年前とは様相が変わり、若い自力型が続々と育ってきた。準決10Rで連係した嘉永泰斗(24=熊本)は、渾身の先行で荒井を引きだした。
「打鐘で腹をくくってくれた。どのみち、いい位置を獲ったり、粘るには先行するぐらいの駆け方じゃなきゃきついから。あれで平原(康多)も2角でひるんだでしょう。あの展開でオレが沈んだら逆に失礼になる。泰斗の強さがあればあいつは今後、勝手に(GⅠ決勝)乗るよ」
嘉永との連係は1月和歌山記念の二次予選以来3回目だった。その時は嘉永が勝ち上がりを逃し、荒井だけが準決に乗っており、レース後は2人は検車場の隅で長い時間話し込んでいた。
嘉永は「荒井さんから自転車やレースの話、ウエートトレーニングの大事さなどを教えてもらい『GⅠで一緒に戦おうな』って言ってもらいました」と金言を賜り、目を輝かせていたものだ。
若手、後輩との向き合い方は、ともすれば昭和の匂いを感じるオラオラ感が漂い、中川からは「佐賀の暴君(笑い)」とイジられるが、実際は自身がこれまで培ってきた自力選手としてのノウハウを惜しみなく伝授しているのだ。
決勝は清水裕友(27=山口)に全てを任す。「金持ちになるチャンスを得られた。決勝がゴールじゃないし残り1走も頑張る! ま、負けてもタクシーで江戸(東京)まで帰るのは決まったね(笑い)」と最後まで饒舌だった。












