【アツいアジアから旬ネタ直送 亜細亜スポーツ】今やタレントをしのぐユーチューバー人気はアジア共通。インドネシアでは、チャンネル登録者数65万人を誇るボボン・サントスさん(31)の“おバカチャレンジ”が話題だ。

 チリパウダーを大量にまぜた激辛風呂やコーンフレーク風呂に入ったり、のりを一面に広げた床に倒れて粘着したり、スイカに何百本もの輪ゴムを巻いて破裂させたり…。身近なものを使った分かりやすさと大げさなリアクションがウケている。

 ブレークのきっかけは“ゲテモノ食い”。なんとゴキブリをトッピングした焼きそばを食べた。

 インドネシアでは国民食的人気のインスタント焼きそば「インドミー・ミーゴレン」に、アフリカからネット輸入した「マダガスカルヒッシングローチ」をまぜた。このゴキブリは体長5~7・5センチと世界でも特に大きく、オス同士のケンカやメスへの求愛のとき「シュ~シュ~」と呼吸器官から独特の音を出すことから別名「鳴くゴキブリ」といわれ、日本でもマニアが飼育している。

 この巨大ゴキブリをボボンさんは「におい消し」と言いながら洗剤で洗い、フライパンで素揚げ。塩で味付けし、ゆでたインドミーに盛り付けると「エビに似て意外においしい」と次々に口へ運んだ。この動画が「VICE」などのネットメディアに取り上げられ、174万回もの再生数となり、一気に有名ユーチューバーになった。

 これに気を良くしたボボンさんは“焼きそば×ゲテモノ動画”を続々とアップ。オオトカゲの肉や竹虫(竹に巣くうガの幼虫)、牛のフンなどをトッピングしたインドミーを食べ、アクセス数を稼いでいる。ファンからはもっと過激な挑戦を求められており、エスカレートしそうだ。

 インドネシアは人口2億5000万人超の大国。国民の平均年齢は29歳と若く、ネット産業も伸び盛りだ。首都ジャカルタ在住記者は「市場が巨大な分、当たれば大きく、社会的影響力のあるユーチューバーも誕生している。登録者数357万人のトップユーチューバー、エド・ゼルさんは4月、福岡と佐賀に招かれ、観光アピールの動画を制作した。両県は彼の知名度をインバウンド収入につなげたい狙い。インドネシアに進出している日系企業も、広告に人気ユーチューバーを積極的に起用する動きが広がっている」と話す。

 インドネシア市場を制するには、今やユーチューバーの発信力が欠かせない。(室橋裕和)

☆むろはし・ひろかず 1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め、2014年に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。最新著書は「日本の異国」(晶文社)。