WBO世界ミニマム級王者の谷口将隆(28=ワタナベ)が本紙のインタビューに応じた。昨年12月、デビュー6年目にして悲願の世界初戴冠を果たした王者。今後の目標や同学年で同期入門のWBA世界ライトフライ級スーパー王者・京口紘人(28)に抱いていた感情、さらにあの人気世界王者を見習って新たに始めた挑戦など、余すところなく語った。

 ――世界戴冠から1か月半が経過した

 谷口 最近はやっと練習できていて、平常通りのライフです。うれしいことに、こういう取材も増えたし人と会う機会も増えた。これを一時のことじゃなくて防衛を重ねて確固たるものにしたいです。

 ――次戦は4月か5月に予定と

 谷口 そうですね。防衛戦をクリアしてこそ王者ということを聞いたので、次も勝って本物の世界王者になりたいですね。
 ――王者として目指すものは

 谷口 防衛して、体重が許す限りはこの階級にとどまり、チャンスがあれば他の団体の王者と統一戦を戦いたい。やってみたい相手はいないんですが、欲しいのは緑(WBC)のベルトなんです。

 ――理由は

 谷口 IBFやWBOは最近(日本では2013年に)認可されたベルト。WBCとWBAは日本人になじみ深い。その中でもWBCは「ザ・チャンピオン」という感じが僕の中にもある。それにワタナベジムには(男子で)WBCを取った王者はいないので。

 ――世界王者になって新しく始めたことは

 谷口 最近パソコンを買いました。語彙力もつけ、ゆくゆくは自分の知識や減量のノウハウを伝えるブログや記事などを書けたらなと思っています。きれいにありのままの自分の気持ちを伝えたいなという思いですね。

 ――きっかけは何か

 谷口 村田諒太さん(帝拳)。(コメントなどの)言葉選びがすごいなと感じてそれがすごくカッコよく映った。言葉を選ぶって簡単に見えて難しいことじゃないですか。あとユーチューブとかTikTokもやらないと、と思っています。簡単な編集作業を覚えるというのもパソコンを買った理由なんです。

 ――京口もユーチューバーだ

 谷口 それでかなり知名度が上がったと思うんですよ。収益目的というよりも僕を知ってもらうきっかけになってほしいです。ボクシングのこと、減量とかちょっとした筋トレとかを中心にやりたい。第1回目のゲストは京口で「ユーチューブとは何ぞや」から入りますか(笑い)。

 ――2016年に地元神戸から入門した

 谷口 最初はワクワクと不安、寂しさが入り乱れていました。でも今の僕が6年前の自分に言いたいのは「絶対出てこい」ですね。その代わりすごい苦労はするぞ。だから強い精神力は身につけておけと言いたい。

 ――切磋琢磨してきた京口は17年7月に初めて世界王者に輝いた

 谷口 僕が最初の日本王座戦(同年4月)で負けた3か月後だったんです。一緒にデビューして一緒に世界王者になるって決めて、片や世界、片や日本で負け。ぼう然としました。悔しいというより嫉妬ですね。当時の自分はそんなことはないと思っていたけど。素直にすごいと思えていなかったんです。

 ――その思いはいつまで抱えていた?

 谷口 19年に(初の世界挑戦となったビック)サルダール(フィリピン)とやるまで。世界で戦っている人たちのすごさを体で実感しました。

 ――昨年3月には京口の米国遠征にも同行した

 谷口 自分もあの舞台に立ちたいなと思いましたね。向こうはボクサーへのリスペクトがすごい。体のこんな(手をいっぱいに広げて)強そうなセキュリティーも「でもお前たちボクサーには勝てないよ」と言っていたり(笑い)。試合後に京口を出待ちするファンもいたんですよ。

 ――いずれは米国で共演も

 谷口 そうなったら面白いですよね。(同じ関西の)地元や米国で一緒に防衛したり。やっと2人で世界王者になれたので、ここからいろんなことがしたい。自分の好きなことで選択肢が広がるのは幸せなことですね。だからまずは絶対に初防衛はしたい。浮かれる期間は終わりです。