F1で〝神の手論争〟がヒートアップして大きな波紋を呼んでいる。

 騒動の発端はF1の今季最終戦アブダビGPの最終周で発生した。レースは絶対王者のルイス・ハミルトン(メルセデス)が大きくリードを広げて優勝と年間タイトルの獲得が確実視されていたが、終盤に15番手争いをしていたウイリアムズのニコラス・ラティフィがクラッシュ。それによってセーフティーカーが出動してハミルトンのリードが一気になくなり、最終周にマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がまさかの大逆転。レースの優勝と年間総合王者の座を獲得した。

 この一件がF1界で大きな波紋を呼んでおり、メルセデスのトト・ボルフ代表は連日現地メディアに対して「マラドーナの神の手のようだった」と不満を爆発させている。

 ドイツ紙「ビルト」に「それは間違いなくディエゴ・マラドーナの〝神の手〟だ。1986年のウェンブリーでのゴールと同じようなものだ。レースディレクターによる一貫性のない決定は、ルイスからタイトルを奪った」と最終戦での結果は〝不正〟だと追及している。

 提訴については撤回したが、メルセデス側は納得しておらず騒動は拡大。不満を示したハミルトンは来年の開幕戦で10番手スタートへの降格が検討されており、抗議の意を示すためハミルトンとボルフ代表は今季のF1年間表彰式を〝ボイコット〟。国際自動車連盟(FIA)は処分を検討するなど両者の対立は泥沼化している。さらに騒動のきっかけをつくったラティフィには殺害予告まで届き、警察が捜査に乗り出す深刻な事態になっている。

 F1界でぼっ発した神の手論争がまだまだ波紋を広げそうだ。