東京五輪の柔道男子81キロ級で金メダルを獲得した永瀬貴規(28=旭化成)が〝ギアチェンジ〟を誓った。

 約11か月ぶりの国際試合となったグランドスラム(GS)ウランバートル大会では、準々決勝でイ・ジュンファン(韓国)に敗戦。敗者復活戦と3位決定戦で勝利を収めて銅メダルを手にしたが、新鋭に苦杯をなめた。それでも、29日のオンライン取材では「本当に久しぶりの海外での国際大会だった。全員が初対戦という感じだったけど、久しぶりにこういう世界の舞台に帰ってきた、戻ってきたなという緊張感の中で試合ができたことはよかった」と前向きに振り返った。

 課題が明確だからこそ、悲観する様子は見られない。「全体的に受けがふわふわしていた。受けは自分のストロングポイントでもあると思うので、改めて自分の長所というのを再確認というか、再強化していかないといけない」と冷静に分析した上で「受けがしっかりしていることで攻撃にも自信を持って入っていける部分がある。受けがしっかりしていることで、自分のペースで試合を進めることができると思っている」と展望を語った。

 10月の世界選手権(ウズベキスタン・タシケント)では、2015年以来の頂点を狙う。「世界選手権に向けてギアを上げていけたら。世界選手権で結果を残すことがパリ五輪に近づくと思う。まずはこの世界選手権に1つのピークを持っていって、優勝を目指していきたい」。群雄割拠の同階級で、金ゼッケンのプライドを見せつける。