東京五輪・パラリンピック組織委員会は21日、都庁で理事会を開催し、大会経費の最終報告を行った。

 新型コロナウイルス禍で史上初の1年延期となった昨夏の東京大会を巡っては、大幅な「経費削減」と「簡素化」が求められた。この日に公表された大会経費は1兆4238億円(うちパラリンピック経費は1514億円)。その内訳は恒久施設、仮設、テクノロジーなどの「会場関係」が8649億円、競技・会場の運営をはじめとしたオペレーション、輸送、セキュリティーなどの「大会関係」が5236億円、安心安全な大会を目指すための「コロナ感染対策関連」が353億円となった。

 一方、主な収入は国際オリンピック委員会(IOC)の負担金868億円、トップスポンサー569億円、国内スポンサー3761億円、大会延期に伴う保険金500億円となっている。

 大会経費に関しては、2020年12月に公表された予算「バージョン5」から2202億円の減額。組織委の武藤敏郎事務総長は「かつて我々が見積もった金額からは、いずれも少ない金額に着地することができた。増加する経費をそのままにすることなく削減によって対応できた。我々自身はやるべきことはやったと評価しております」と話した。そのうえで武藤事務総長は「そもそも(経費が)大きいものなのか、小さいものなのかという話になると、なかなか簡単ではない。それぞれの国の経済、物価事情があり、よく言われるように先進国の場合は経費がかかりやすい問題もある」などと所感を口にした。

 なお、2014年1月に発足した組織委は8年半にわたる活動に終止符を打ち、今月末に解散となる。