サッカー欧州選手権で起きている新型コロナウイルスの感染爆発が、東京五輪でも再現されると中継局の米「NBC」が指摘した。

 欧州選手権を巡っては英スコットランドで2000人、フィンランドでも300人の感染者が報告されており〝スーパースプレッダーイベント〟の様相を呈している。

 そうした中で、東京五輪の放映権を持ち最大のスポンサーとなっているNBCが、欧州選手権の悪夢が東京でも繰り返されると警鐘を鳴らしている。

「予防接種を行ったとしても、感染の波が後に深刻な病気や死亡、および数か月間にわたって症状に苦しむ後遺症患者の増加につながることが恐れられている」とワクチン接種が進んでいる欧州でも感染力が強いデルタ株を始めとした変異種の広がりにより、再び感染が拡大する懸念を指摘。

 そのうえで「批判が東京五輪の開会式の数週間前にも起こる。何か月にもわたる批判やイベントへの反対を受けて、主催者はアスリートや他のゲストがどこに行く可能性があり、対策として何ができるかについて厳格なルールを展開する。それでも専門家たちは、大会中に感染が増える可能性が高いと予測していると語っている」と欧州選手権のような感染爆発を懸念している。

 とはいえ、同局は中継する東京五輪を全面的にバックアップしており開催を推進している。報道機関の体面から感染の危険性を指摘しているが、とんだ〝二枚舌〟と言えそうだ。