首都圏の私立大に2020年度入学した下宿生への仕送り(6月以降の平均)は月額8万2400円で、1986年度の集計開始以降、過去最低だったことが5日、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の調査で分かった。東京私大教連は「新型コロナウイルスの影響で保護者の収入が減ったため」と分析し、国による支援拡充が必要としている。

 調査は昨年5~7月に実施。埼玉、千葉、東京、神奈川の4都県の私立大9校に入学した新入生の保護者5382人から回答を得た。仕送り額は前年度から2900円減少し、過去最高だった94年度の12万4900円と比べて4万円以上少なかった。仕送り額から家賃を除いた生活費も過去最低で、1日当たり607円だった。

 自由回答では「以前は学費の心配をしたことはなかったが、(最初の)緊急事態宣言後は大幅な減収になり不安が募る」「(子供が)予定していたアルバイトができず、授業料の支払いが困難。中退も考えなければならない」などと新型コロナの影響で家計が悪化したとの訴えが目立った。

 この“バイト難民”問題は深刻だ。飲食店に出された時短営業の要請によって、シフトが削られたり辞めさせられたりすることで、社会体験やバイト代が得られなくなっている。

 都内のカフェでアルバイトをしている20代学生の男性は、以前は週3回ほど働いていたが、現在は1か月間のシフトがわずか2回に削られたという。

 男性の働くカフェは、夕方からバーに切り替わる店舗だが「時短営業に伴ってバーの営業をやめることになったため、バータイムで勤務していた人たちのシフトはすべて削られてしまった。カフェの時間帯で勤務する人もみんな自分のようにシフトを減らされた。従業員の中にはフリーターとして生活している人もいる」と明かす。

 時短でバイト代が減った場合、個人でも休業支援金・給付金を国に申請することが可能だが、周知されていないのが実情だ。