酢は健康にいいとは言うものの、ツンと鼻をつくにおいや、酸っぱい味わいが苦手という人も少なくない。そんな人に向いているのが果実酢や飲む酢だ。 

【様々な果実酢】

 確かに、米酢には刺激がある。それに比べると、やさしいのがリンゴ酢だ。穀物の代わりに、こうしたリンゴをはじめとする果実を使った酢が果実酢である。果実のため甘みとフルーティーな味わいがあるが、穀物原料の酢に比べ健康成分のアミノ酸は少なくなる。

 果実酢の中でも人気が高いのがリンゴ酢で、ドレッシングなどにもよく使われる。市販のミツカンのカンタン酢も、リンゴ成分が入っているため一般の米酢よりも味や香りがやさしい。

「薬膳でもリンゴ酢が使われます。疲労回復にはリンゴ酢など果物の酢を薄めて、食後に少し飲むのもいいですね」と言うのは薬膳研究家で国際中医薬膳師のユウ・シャーミンさんである。さまざまな果実酢が市販されており、梅酢、柿酢、ブルーベリー酢などのほか、はちみつ酢も人気だ。

 果実酢は市販品を買うほかに、好みの酢、好みの果物、氷砂糖を入れて自分で手軽に作ることもできる。手作りで人気の果実はレモン、イチゴ、キウイ、パイナップル、バナナなど。ユウさんのオススメは枸杞(クコ)酢だ。作り方は200ミリリットルガラス瓶に枸杞の実大さじ2杯入れリンゴ酢を注ぐ。ふたをして冷暗所に置けば次の日使える。

「疲れやすい人に向いた簡単薬膳酢です」とのこと。サラダ、炒めものなど料理の上にかけたり、少量の枸杞酢をお湯で薄めて食後に飲むといい。

【飲みやすく加工されたドリンクタイプ】

 果実酢は果物原料の酢を指すが、甘味料などを含まない果実酢は酢酸成分が高い。このため健康効果は期待できるが、そのまま飲むのは大変だ。そこで登場したのが、味を調整して料理用でなくそのまま飲む酢である。

 飲む酢の市販品にはストレートと濃縮の2タイプがある。ストレートタイプは、どこでも手軽に飲める。最近では商品が続々登場し、コンビニでも売られている。濃縮タイプは割り方を自分で選べる。フルーツジュースとの相性がよいが、牛乳や豆乳で割ることもできる。

 前回取り上げた黒酢にも希釈されていない原液タイプと、希釈されてそのまま飲めるドリンクタイプがあるが、原液タイプも炭酸水やお酒などとブレンドして飲んだりできる。ドリンクタイプは、飲みやすいように黒糖やはちみつがブレンドされており、健康成分がプラスされているものもある。中でもタマノイ酢の「はちみつ黒酢ダイエット」は、コロナ太り対策のために売り上げを伸ばしたとも言われる。

 ただし、飲み過ぎには注意が必要だ。「健康にいいからといってあまり飲み過ぎると、酢には収斂作用があるため体内からの発散を妨げ、気分が落ち込み加減の人などは、さらに気分が落ち込んでしまうことがあります。酸、苦、甘、辛、鹹(塩辛い)の五味をバランスよく取りましょう」とユウさんはアドバイスしてくれた。