自民党の下村博文元政調会長(68)は14日、党本部で会見を開き、明日発売「週刊文春」で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自身の関係が報じられた内容を全面否定した。

 この日、文春オンラインは、下村氏が政調会長時代、旧統一教会の関連団体幹部から陳情を受け、党の公約に反映させるよう指示を出していた疑いがある動画を入手したと伝えた。

 下村氏と旧統一教会をめぐっては、これまで世界日報社の月刊誌インタビューに応じていたことや旧統一教会から現在の世界平和統一家庭連合への名称変更に認証されたことなども物議を醸していた。

 同誌が入手した動画は、昨年10月9日、東京・板橋区の区立グリーンホールで行われた統一教会の関連団体「国際勝共連合」幹部・青津和代氏の講演会の様子を収めたものだ。

 講演会の直前まで、同じ場所で下村氏の国政報告会が行われ、青津氏も参加していたという。当時は岸田政権が発足した直後で、下村氏は政調会長を退いたばかりだった。

 下村氏は会見で「記事にあるような統一教会系団体から陳情の要望を受けた事実はありません。間違った事実にもとづく記事は即刻、撤回するよう強く抗議し、明日(15日)、週刊文春に(抗議の文書を)提出したいと思っています」と切り出し、こう釈明した。

「この一般社団法人教育問題国民会議というのが、それ(旧統一教会系団体)に当たると週刊文春が記事に書いたということで、教育問題国民会議が文春に強く抗議した。理事の方々に統一教会の人は入っていない。今回の報道にある青津さんは事務方のお手伝いをしていた。大変、迷惑ということで8月末に国民会議から退会しています。私は国民会議の方から要望を受けたが、旧統一教会系団体ではないと承知をしています。この法案(青少年健全育成基本法、家庭教育支援法)は、統一教会、その団体から要望を受けていません」

 報道陣の「同誌が報じた勝共連合の青津氏とは面識がないでいいのか」との質問には「私が講演をした後、青津氏は地方議員主催のミニ集会で講演した。当然、その方がいたのは承知している。統一教会の方という認識はありません。国民会議のメンバーの事務方として同行はしていたが、勝共連合の方という認識もなかった」(下村氏)

 緊急会見の終了後、報道陣からは「下村氏は文春報道に抗議ではなく、名誉毀損等で裁判を行う考えがなかったのか」「裁判で旧統一教会の問題を根掘り葉掘りほじくられ時間を要するのを嫌ったのか」と対応を訝しむ声が上がった。