参院選は10日の投票日に向け各党がラストスパートをかけている。演説場所で立候補者同士がニアミスする場面も多く見られるが4日には〝巣鴨戦争〟が勃発した。

 全国比例で立候補した立憲民主党の辻元清美氏(62)が「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる巣鴨地蔵通り商店街で街頭演説を行い、衆議院議員の長妻昭氏(62)が応援に駆け付けた。昨年の衆院選で落選し比例代表に鞍替えした辻元氏は「この前の選挙で落選してね。崖から転落して今、傷だらけなんです。国会に『岸田さん、どうなってるんだ。なんで年金下げるんだ。景気が落ち込むだろ。高齢者がしんどいだろ。おかしいだろ』と。これを言いに行くパスポートがないんですよ。ですから辻元も働けるようにお願いします」と必死の呼びかけを行った。

 その直後に現れたのが日本維新の会から比例代表で立候補した歌手で俳優の中条きよし氏(76)と同党から東京選挙区で立候補した海老沢由紀氏(48)。街頭演説を終えた2人は多くの報道陣を引き連れ、巣鴨地蔵通商店街で練り歩きを行うと中条氏の即席撮影会になるほどの人だかりができた。中条氏は巣鴨について「最高だよ。人間を感じるよね。それが素晴らしいところ」と話し、改めて人気の高さを証明した。

 途中で、とげぬき地蔵尊でお参りをした中条氏。報道陣から何をお参りしたかと問われると「いい声がでますようにって。うそに決まってんじゃん」と自身の代表曲「うそ」にひっかけたジョークを飛ばすなど終始ご機嫌。

 先に練り歩きをしていた辻元氏は中条氏に注目をさらわれる形となってしまった。

 高齢者が多い巣鴨での〝前哨戦〟に圧勝した形の中条氏だが手応えについて問われると「毎回、聞かれるけど分からないんだよ初めてだから。これがわからないところが選挙の難しいところだね。ふたを開けるまで分からないから、取りあえず突っ走るだけ」と意気込んだ。