立憲民主党の小川淳也政調会長が12日、「日曜報道THE PRIME」に出演。日銀の黒田東彦総裁の「値上げ許容」発言に「引き際を考えた方がいい」と厳しい見方を示した。

 黒田氏は6日の講演で「家計の値上げ許容度も高まってきている」と発言して炎上。謝罪に追い込まれていた。番組に出演したジャーナリストの木村太郎氏は「どうしてこれが参院選の争点にならないのか不思議だ」と首を傾げた。

「失言だったと取り消したのはいいけど、金融緩和っていう政策は取り消していない。家計に圧力が加わっても、とにかく2%のインフレに持っていくという考え方は変わっていない。それが物価高につながっている。それがたまたまああいう発言で出てきただけ」と根本は変わっていないと木村氏は指摘した。

 これを受ける形で小川氏は「もともと2%の物価上昇を目指すと10年前に言っていた。それは4月に2・5%になり実現した。しかし前提が違っていて、それ以上に賃金を上げないといい循環にならない。実質賃金はマイナス1・2%なので結局、物価高がひっ迫しているだけ」と政策がうまく行っていないと訴えた。

 さらに、「黒田氏は長くやりすぎて、総理大臣より給料がいいはずですし、国民感情から随分遠いところにいるんじゃないか。また、アベノミクス下で格差拡大しているが、そのことへの感度も鈍っているのではないか。そろそろ引き際を考えた方がいい」と黒田氏にけじめを迫った。