緊急事態宣言中に東京都が出した時短営業の命令が違憲だとして、飲食チェーン「グローバルダイニング」が都に損害賠償を求めていた裁判の判決が16日、東京地裁で言い渡された。同地裁は時短命令を「違法」と指摘。一方で小池百合子都知事の過失責任を否定、賠償請求も棄却した。

 都は新型コロナウイルス対策特措法に基づく時短営業命令を昨年3月に同社の26店舗に出していた。損害賠償の請求額は104円。これは26店舗を4日間営業停止したことから、1店舗につき1日1円で計算したという。

 判決を受けて記者会見を開いた同社の長谷川耕造社長は「(判決の)要旨を聞いたら75%はこちらの主張が受け入れられている。なんで100(%)にしてくれなかったのかな。違憲かどうかに踏み込むのは一審ではないのかな」となんとも言えない表情。また、弁護士の倉持麟太郎氏は「重要なのは命令が違法であるということ。実質勝訴、形式敗訴だ」と話した。

 実質勝訴とはいえ、すでに控訴をしているという。倉持氏は「都知事の注意義務違反はないとなった。裁判で都知事本人の尋問しないのは不服だ。高裁ではそこを争いたい」と小池氏の尋問を求めた。