嘉悦大教授の高橋洋一氏が19日、自身の公式ユーチューブチャンネルを更新し、ロシアのプーチン大統領が取った金融政策の過ちを指摘した。
 
 プーチン大統領は18日、ルーブルの為替相場が回復していることを受け「西側諸国のロシアへの経済制裁は失敗した。ロシアの経済状況は安定している」と胸を張った。
 
 ロシアはウクライナ侵攻後、欧米諸国による経済制裁を受け、ルーブルは暴落。3月には侵攻前から約半値まで下落したものの現在は侵攻前の水準まで戻っていた。

 高橋氏は「ルーブルを回復させるためにロシアの金利を物凄く上げた」と指摘。侵攻後の2月28日にロシア中央銀行は政策金利を20%に引き上げると発表したのが回復の要因という。

 高橋氏は「為替のために金利を上げると、国内の経済をダメにする。目先のわかりやすいところだけ見て、金利を上げたんでしょ。完璧なミス」と指摘する。

 民間の金利も20~30%に上がることで、今後、ロシアの企業活動は停滞し、雇用が失われ、国民の所得が減り、インフレとなる悪循環に陥ると予測する。

「物凄い経済活動はダウンする。年率10%くらいのGDPのマイナスになる。為替を気にして、金利を変える政策をしちゃいけない。プーチンさんは何も分からないで、単なるアホおじさんだって、すぐわかる話。これで安定してると思っているならどうぞ」と呆れた。

 本来、ロシアが取るべき経済政策は〝放置〟だったという。

「あまり気にしないのが正しい。ルーブルが下落するのは放置しておく。一方で経済制裁があるから、蓄えていた備蓄などを放出しながら耐え忍ぶのが普通の政策。(プーチン氏は)それが分からなくて、経済顧問みたいな人も海外に逃げだしちゃう」と指摘した。
 
 ロシアでは、長らく経済政策を担当していた大統領特別代表のアナトリー・チュバイス元第一副首相や経済ブレーンがプーチン氏の政策に反対し、相次いで辞任や出国するなどしている。