新型コロナウイルスでオミクロン株を上回る〝最凶変異株〟がフランスで発見された。

 英紙「デーリー・メール」などは「フランスで46か所の突然変異を持つ新たな新型コロナウイルスの変異株が見つかり、世界の医学界が注視している」と報道。フランスのIHU感染症研究所の研究チームが昨年12月にフランス南部マルセイユで未知の変異株を発見して医学論文を公開した。カメルーン旅行から帰国したフランス人が最初の感染例で、ワクチンの2回接種を完了していた。その後、この感染者と同じ地域に住む数人からも相次いで新変異株が発見された。

 同紙は「フランスの科学者は、それがワクチン耐性と感染性を高める可能性のある46の変異を持っていると言っている」と指摘。これまでで最も感染力が高いとされるオミクロン株は感染に関わるスパイクタンパク質に32か所の変異が生じているが、未知の変異株には46か所の変異が生じており、感染力が格段に高くなっている可能性があるという。

「他の国ではまだ発見されておらず、世界保健機関(WHO)によって調査中ので、まだラベルは付けられていない」と指摘。この株を発見したチームを率いるフィリップ・コルソン教授は「私たちはそれを『IHU株』と名付けた」と表明した。

 2月には北京五輪が迫っており、国際的な大規模イベントを媒介にした感染爆発も懸念されている。まずは最凶変異株の解明が待たれる。