ソニー生命保険(東京)は22日、シンガポール子会社の社員が2019年8月から今年4月にかけ、小切手を使い、会社の銀行口座から計約4000万円を不正に出金し着服していたと発表した。現地当局が捜査中として、詳しい手口や動機などは明らかにしていない。社内調査で8月上旬に発覚した。社員は既に自己都合で退職している。
同社といえば前日にも大きな事件が報じられたばかり。清算手続き中の海外子会社から不正送金した約170億円を暗号資産(仮想通貨)のビットコインに交換し、自らが管理する口座に移したとして、警視庁捜査2課が21日、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)の疑いで社員の石井伶容疑者(32)を追送検したのだ。
追送検容疑は5月中旬、ソニー生命の完全子会社の銀行口座から米国にある口座に不正送金した170億円相当の米ドルをビットコインに交換し、自らが管理する口座に移した疑い。
事件は今年5月に発覚。被害届を受理した警視庁は先月29日、詐欺の疑いで逮捕した。事件発覚当初、米国の口座に不正送金された170億円は跡形もなく消え去っており、警視庁はFBIに捜査協力を要請して行方を追っていた。それがビットコインに変換され、しかもわずか半年の間に30億円以上も増えていたというから、プロの投資家も舌を巻く運用術だろう。
気になるのは増えた30億円以上の金がどうなるかだ。金融犯罪に詳しい弁護士法人アドバンスの正畠大生弁護士に話を聞くと…。
「被害金が海外で没収された場合、日本に移譲されるかがポイント。今回はFBIが没収したということなので、日米ともに批准している国際組織犯罪防止条約に基づいて、全額日本に移譲されることになる。日本国内では被害金額170億円が国からソニー生命に支払われることになるが、運用によって増えていた30億円以上の金は国庫に入り、基本的に犯罪抑止の対策費用に使われる」
増えた30億円以上のカネはソニー生命も石井被告も手に入らず、国に“没収”されてしまう運命にあるという。












