【池袋暴走事故】飯塚幸三被告 遺族のSNS「フォロー」と発言…理解に苦しむ無罪主張

2021年06月22日 05時15分

公判後に会見した被害者遺族の松永拓也さん
公判後に会見した被害者遺族の松永拓也さん

 2019年に東京・池袋で暴走事故を起こし、松永真菜さん(当時31)と娘の莉子ちゃん(同3)をはねて死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われている飯塚幸三被告(90)が21日、被害者遺族と法廷で直接対峙した。真菜さんの夫である松永拓也さん(34)が質問に立ち、飯塚被告を問いただしたのだが、そのやり取りで飯塚被告が口にした「フォロー」という言葉に疑問の声が上がっている。


「今日は自分の感情に従うと決めてきた。今日は言います。私は彼に刑務所に入ってほしい」

 公判直後の記者会見で松永さんは、きっぱりとこう語った。この日の質問で松永さんは妻と娘の名前を聞いたが、なんと飯塚被告は莉子ちゃんの漢字が答えられなかった。また証拠となっている2人の写真についての質問に、飯塚被告はクリスマスや遊園地の写真だったと返答。「そんな写真ない」と松永さんは会見で吐き捨てた。

 被告にも無罪を主張する権利があることは、松永さんも重々承知だ。しかし「加害者を心から軽蔑しました。証拠を突き付けられても『自分は悪くない』と考えを変えることができない。正直、むなしい」。いくら証拠を見せられても、飯塚被告が主張を変えることはなかった。

 事故の原因について飯塚被告は、車の不具合を訴えている。21日になって飯塚被告が運転していた車のメーカーであるトヨタ自動車が「車両に異常や技術的な問題は認められなかった」と異例のコメントを発表。飯塚被告の主張に反論した。

 さらに松永さんが「驚いた」と振り返ったのは、飯塚被告が松永さんのSNSの投稿を「フォローしている」と語った点だ。

「フォローしていながら、私の心からの思いを知っていながら、この主張をしているんだな。これだけの悲しみ、苦しみ、事故をなくしたいんだという思いを(SNSに)つづってきたが、どういう精神なのか」

 飯塚被告の言った「フォローしている」という言葉の意味は何なのか? 暴走事故直後にまことしやかにささやかれていたのは、飯塚被告が自身のSNSを削除したという話だった。もし本当に削除したとしたら、アカウントを再取得した上で松永さんのSNSをフォローしているというのか? ちなみに松永さんはブログ、ツイッター、インスタグラム、フェイスブックを使って発信している。

 松永さんの弁護士は「いや、フォローの意味はそうではない。定期的に見ているという意味でしょう」と指摘した。松永さんは「フォローと聞いて、アレっとは思いました。フォローをしていなくてもSNSは見ることはできると思いますが」と、フォローという言葉に引っかかる思いはあったという。

 さらに松永さんは「SNSを見ていてあの主張なのか…」と改めて語った。飯塚被告は「フォローしている」と言いながら、松永さんの悲しみや苦しみを読みとれなかったのか?

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