国勢調査回収率が過去最低を大幅に下回りそうなワケ

2020年10月08日 11時30分

武田総務相(ロイター)

 国勢調査の回答期限は今月7日にもかかわらず、回収率は53・1%(6日時点)と低調で、過去最低だった前回の86・9%を大幅に下回る可能性が高いという。回収率を少しでも上げようと、総務省は回答期限を20日まで延長する。

 回収率が低い理由について、本紙は調査員を取材した。

 調査員は市区町村から委託されて調査担当地区を与えられ、その件数に応じて報酬を得る。

「前回までは、調査員が回収に訪問したり、提出のお願いにうかがったりしていました。今回は、新型コロナ感染症対策で対面回収は禁止となりましたので、各世帯のポストに投函するだけになりました。ポストに入っているだけだと、チラシのポスティングと同一視して廃棄してしまう世帯も多いようです。それを見越して、ポスティングせずに調査用紙を配布しないで廃棄する怠け者の調査員も散見されます」

 回答方法は、インターネットでの回答、回答用紙の郵送の2択だが、国勢調査を装う特殊詐欺もあるので情報漏洩を恐れて、国民は慎重になっている。

 ただ、調査員によれば原因はそれだけではないようだ。

「中途半端なデジタル化も問題です。総務省は昨年の別の調査からタブレット端末を導入し、調査員に持たせました。不具合の多い廉価な外国製で、問題が多発していました。調査員は、定年を過ぎた高齢者がほとんどなので、デジタルツールを嫌って調査員を辞める人も多くいました。端末の不具合が出ても、予算で予備機までは購入していないので、交換できませんでした。あとは役所の人もデジタル音痴で、接触の不具合のあるタッチパネルを昭和のテレビのように斜め45度から叩く等の原始的な対応をしていたので、あきれて業務から去ってしまった方もいました」

 今後は、統計調査には、総務省に加えてデジタル庁が参画することになるのだろうか。