小池無双!満員電車ゼロ実現か コロナ休業要請で状況一変

2020年04月11日 16時00分

政府への皮肉も口にした小池都知事

“小池無双”は止められない!? 新型コロナウイルスによる政府の緊急事態宣言を受け、小池百合子都知事が10日、都独自に休業要請する6業種・施設を発表。また感染拡大防止協力金を創設し、事業者への支援も打ち出した。一部の業種で不満は残ったものの、休業要請先や協力金支給の拡大も辞さない構えで、4年前の都知事選で「絶対無理!」といわれたアノ壮大公約も達成しかねない勢いだ。

「ゾーンに入った小池さんのキレ味はまだ衰えていなかった。もう止められませんし、誰の言うことも聞きませんよ」と話すのは国会議員時代から小池氏を知る自民党関係者だ。

 緊急事態宣言を受けての休業要請対象や実施時期を巡っては、本紙既報通り、政府と都の間で激しく対立が続いた。

 9日夜に両者で折り合いがつき、10日の発表となったが、小池氏は「(緊急事態宣言で)知事に権限を与え、代表取締役社長だと思っていたら、天の声がいろいろ聞こえて、中間管理職になったようだった」と煮え切らない対応だった政府を皮肉ってみせた。

 発表されたのは“東京浄化作戦”と見違えるほど、遊興・遊技施設が軒並み対象となった。キャバレーから始まり、個室付き浴場業に係る公衆浴場、のぞき・ストリップ劇場、個室ビデオ店、ネットカフェ、カラオケボックス、パチンコ店、ゲームセンターなど幅広い業種が含まれた。

 ただ、厳しいばかりではなく、フォローも忘れていない。休業要請に応じた場合、1つの事業者に対し50万円、2つ以上の店舗を持つ事業者には100万円の感染拡大防止協力金を来月をメドに支払うとした。「金額が少ない」「潰れる店もある」との批判の声もあるが、これまで政府は休業要請だけで補償の裏付けがなかっただけに歓迎する声も大きい。また、居酒屋は休業要請こそ回避されたが、時間短縮を余儀なくされた。酒類を提供する飲食店は、午前5時から夜8時までの営業時間とし、酒類の提供は夜7時までとなった。

 これには「一番の稼ぎ時に営業するな、その営業時間で稼がせるから補償はしないという“居酒屋殺し”だ」(都内居酒屋店主)との声もある。

 補償は財政力で余裕がある東京都だからこそなせる業とも。神奈川県の黒岩祐治知事だけがなんとか追随する姿勢を見せたが、他県知事はぼうぜんとするばかりだ。小池氏は「個々のところは事情が違う。各県もご苦労があると思うが、まず都としてやっていく」とどこ吹く風だ。さらに今後、感染者拡大に歯止めがかからなければ、休業要請する業種や協力金の対象拡大もにおわせている。

 これには「政府の30万円現金給付とは別に都民へ独自の現金給付もできる。都知事選を前に合法的なバラマキができるわけで、反則ですよ」と野党関係者はお手上げ状態だ。

 ネット上では先月からコロナ対策で前のめりになった小池氏を見て「あの公約が実現されるかも」とざわついている。4年前の都知事選で小池氏は「都道電柱ゼロ」「残業ゼロ」「待機児童ゼロ」「ペット殺処分ゼロ」「満員電車ゼロ」「介護離職ゼロ」などのゼロ公約を並べ、都民を仰天させた。

「満員電車ゼロは衆院議員時代から無電柱化とあわせ、小池氏の肝いりの政策ですが、2階建て車両、2階建てホームの導入など東京の実情に合わない方法で、荒唐無稽とバカにされたものです」(前出の自民党関係者)

 結局、時差通勤を推奨する「時差Biz」でお茶を濁していたが、コロナ禍で事情は変わった。すでに都営地下鉄では4月6~9日で、1月下旬のラッシュ時(朝7時30分から9時30分)に比べ、50%近く利用者が減っている。それでもすし詰めだったのがいくぶん緩和されただけで、まだ満員電車であることは変わらないが、休業要請でテレワークや外出自粛が徹底されれば、本当に「満員電車ゼロ」が実現する日は近づきつつある。

「都民の皆様と私たちが一丸となって、この国難、どうにか早期に乗り越えていきたい」と呼びかけた小池氏。

 3年前の衆院選では希望の党結党で退場を余儀なくされたが、よもやの“小池劇場”のリバイバルの様相だ。一体、誰がこの状況を予想できただろうか。