東京地検は12日、2年前に酒に酔った40代女性に乱暴したなどとして、今年8月に準強姦と脅迫の疑いで書類送検された政治団体「スマイル党」党首のマック赤坂氏(70)を不起訴処分とした。理由は明らかにしていない。かねて身の潔白を訴えていたマック氏は過熱する#MeToo運動にクギを刺した。

 マック氏は2016年4月に東京・赤坂で開かれた決起集会で、支援者として参加していた女性と知り合った。その後、赤坂の自宅に酒に酔った女性を無理やり連れ込んで乱暴したと訴えられた。女性の訴えにマック氏は「合意の上」と主張し、「ビデオに録画している」と反論したが、これも「脅迫」とされ、同年12月に準強姦容疑と脅迫罪で告訴されていた。

 今年3月に騒動が明るみに出たことで、マック氏はライフワークとしていた選挙への出馬や街頭演説活動を事実上、封じられただけでなく、本業のレアメタル輸入販売業では一部で取引中止に追い込まれ、体調も崩すなどした。

 この日、晴れて無実が証明されたマック氏は、本紙に「すごい時間がかかったけれども、やっと不起訴になった。女性が隠されていたセクハラを訴える#MeToo運動を阻止するやからではないが、私みたいに逆に被害を受けている人もいる。女性の声がすべて正義という風潮は間違っている。男性の言い分もフィフティーフィフティーで聞いてほしい」と訴えた。

 これまで13度選挙にチャレンジしながら一度も当選することなく、“政界引退”もチラついていたが、「来年は統一地方選と参院選があるんで、堂々と立候補したい」とマック氏。またコミカルな選挙戦が繰り広げられそうだ。