スペイン1部バルセロナのフランス代表MFアントワヌ・グリーズマン(30)と、同FWウスマン・デンベレ(24)による日本人の差別騒動の波紋が拡大している。

 英紙「デーリー・メール」などが、2019年夏にバルセロナのプレシーズンツアーで2人が来日した際に宿舎ホテルでゲームをする際に、不具合の解消を頼んだ日本人スタッフに対して容姿や言語を侮辱する発言を吐いている動画を報じた。

 この問題は海外でも大きな波紋を呼んでおり、各国メディアが大々的に報道。オランダメディア「AD」は「フランス選手を巡って人種差別の暴動か? デンベレとグリーズマンがアジアのホテルスタッフを嘲笑した」と報じ、人種差別として今後大問題になると指摘した。

 またネット上では「彼らはサッカーをすることを許されるべきではない。優れたサッカー選手が人種差別主義者になる可能性があるという事実は、多くの人々に影響を及ぼすため、FIFA(国際サッカー連盟)によって厳しく取り扱われるべきだ」と糾弾する声も上がっている。

 FIFAは人種差別に対して厳しい措置を取っており、2019年には差別的な言動による出場停止処分をそれまでの最低5試合から最低10試合に厳罰化したばかり。その際にFIFAは「FIFAは個人の基本的人権におけるこの難しい戦いの先頭に立つ。被害者を失望させない」と強い決意を表明している。

 今回は〝証拠動画〟がある上に、大物選手による問題で大きな注目が集まっている。今後はFIFAがどのような対応を見せるのかが焦点となりそうだ。