ボクシングの元世界3階級制覇王者の八重樫東(37=大橋)が1日にオンライン会見を行い、現役引退を発表した。

 2004年9月1日にジムに入門したのに合わせて行われた会見で八重樫は「本日をもって引退します。ボクシングが僕の人生を豊かにしてくれた。感謝してもしきれない思いでいっぱいです」とコメント。

 同席した大橋秀行会長(55)は「長いようで短い、とても中身の濃い16年間だった。井上尚弥ら若い選手がその背中を見て、教えてもらった大事なものがあると思います」と〝激闘王〟と呼ばれた八重樫がジムメートに与えた影響の大きさを語った。

 拓殖大を卒業後、2005年3月にプロデビューした八重樫は、11年10月に2度目の挑戦でWBAミニマム級王座を獲得して世界王者に。翌年6月にはWBC同級王者の井岡一翔(31=当時の所属は井岡)と日本初の団体間王座統一戦を行った。

 結果は判定負けで王座から陥落したものの、13年4月にはWBCフライ級王座を獲得。15年12月にはIBFスーパーフライ級王座を獲得して3階級制覇を達成した。

 現役最後の戦いとなったのは、昨年12月23日にIBF世界フライ級王者のモルティ・ムザラネ(37=南アフリカ)に挑んでTKO負けした試合。

 年明けの2月25日には大橋会長から「引退勧告」をされていたものの、その後の新型コロナウイルスの影響などで、この日の発表となった。

 今後は大橋ジムでトレーナーを務めながらテレビ解説などを行う予定だ。