眞子さま公表PTSDの緩和策 専門家提言「白黒思考からグレーの価値観へ」

2021年10月14日 11時30分

PTSDであることを公表した眞子さま
PTSDであることを公表した眞子さま

 秋篠宮家の長女眞子さま(29)と小室圭さん(30)の結婚を巡り、宮内庁が、眞子さまが複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されたことを明らかにし、波紋が広がっている。関係者によると、最大の原因は「インターネット上で繰り返された批判的な書き込み」という。悪質なネット中傷に対して法的手段に訴えるケースが増えているが、皇室はその特殊性から対応に限界がある。眞子さまは嫌な思いをするとわかっていて、なぜ書き込みを見てしまうのか。精神科医が分析した。

「眞子さまは、結婚に関するご自身と家族、お相手とその家族に対する誹謗中傷と感じられる出来事を、長期にわたり反復的に体験された結果、複雑性PTSDと診断される状態になっておられます」

 宮内庁が結婚を正式発表した1日の記者会見で、同席した精神科医の秋山剛氏は切り出した。病気を引き起こす要因として「言葉の暴力、例えば、ネット上の攻撃、いじめ、ハラスメント」を挙げ、病根を示唆した。

 宮内庁幹部は「雑誌と、それを受けたネットの書き込み」と断言する。

 複雑性PTSDとは、事件や事故、災害などに遭遇し、生命の危険を感じるような体験によって引き起こされる精神的な障害「PTSD」が長期的に反復する特徴がある症状を言う。2018年に新たな診断名として導入された。トラウマとなった記憶が突然よみがえるフラッシュバック、緊張や不眠、パニック、過剰な警戒感などの症状が出る。ネット上の誹謗中傷やいじめ、ハラスメントなど言葉の暴力でも引き起こされる可能性があるとされている。

 とはいえ、苦しくなるのならば、ネットの書き込みなんかは見なければいいと思われるが…。

 自己肯定感をテーマにした著書「いい子をやめれば幸せになれる」を刊行した精神科医で東京・豊島区のライフサポートクリニックの山下悠毅院長は「眞子さまはネットなどの中傷が原因で心を傷つけられたとのことで、本当に痛ましいお話です」と前置きした上で、一般論としてこう語る。

「『白黒思考』という心理学用語がありまして、他人を『白か黒か(好きか嫌いか、敵か味方か)』の2極で評価してしまう方は、自身の評価についても白黒で判断してしまいます。そして、白黒思考の強い方ほど誹謗や中傷をされた際に自己評価が『真っ白』から『真っ黒』になってしまうのです」

 確かに眞子さまの小室さんへのいちずさは白黒思考の傾向がうかがえるかもしれない。

 とはいえ、有名人もネットの書き込みに過剰反応して炎上したり、最悪、自殺した人もいる。なぜ白黒思考が強い人は、誹謗中傷が書かれていると分かっているのに、自身についての記事を見続けてしまうのか。

 山下氏は「『真っ白』な自分に戻るには、誹謗中傷がネット上から消滅していることを確認をする必要があるからです。だから、有名人の方であれば『何度も何度もエゴサーチしてしまう』といった具合です。しかし、残酷なことに、確認すればするほど否定的な意見ばかり目に入る現実にさらされ、そんな自分をなんとか『真っ白』に回復させようと、さらに閲覧が止まらなくなってしまうのです。完全に負のスパイラルに迷い込み、根深い心の傷ができてしまうのです」と指摘する。

 では、どうしたらよいのか。考え方を根本から変えるしかないのだろうか。

 山下氏は「自分自身に対してはもちろん、あらゆる物事に対して、『白でも黒でもないグレーの価値観』を持つことです。自分のことをたたく人もいれば、たたかない人もいる…それが事実ですよね。また、ネット上には、人の不幸は蜜の味とばかりにたたく人ばかりが集まっている。こうした事実をしっかり理解することが、ネットの誹謗中傷をトラウマ化しない自己防御策と言えるのです」と指摘している。

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