フジテレビ 「テラスハウス」やらせ疑惑全否定の裏に米国巨大企業 

2020年08月01日 06時15分

〝ヤラセ疑惑〟を否定したフジテレビ

 人の命よりもカネの方が大事ということか? フジテレビのリアリティー番組「テラスハウス」に出演し、視聴者から誹謗中傷を受けた女子プロレスラーの木村花さん(享年22)が亡くなった問題について、フジは「制作スタッフはSNSでの炎上を予見できず、炎上させる意図はなかった」などとする検証報告を同局のホームページで公開した。責任を〝全否定〟した格好だが、フジとしてはどうしても認められない事情があるというが…。

 検証報告によると花さんは、共演男性とトラブルになったシーンがインターネット上で配信された3月末、SNS上で批判が殺到し、自傷行為をしていた。その後、制作スタッフは花さんと複数回面談し、SNSの使用をやめることや専門家のケアを受けることなどを提案していたという。

「過剰な演出があった」という指摘については「出演者に対して言動、感情表現、人間関係等について指示、強要したことは確認されませんでした」と否定した。

 検証は同局内の部門を横断するメンバーが担当。制作スタッフや出演者、花さんの所属事務所関係者計27人からの聞き取りや、弁護士ら専門家の意見聴取を行った。

 SNSが炎上して誹謗中傷を浴びた花さんが亡くなったことに関する責任について、フジは〝全否定〟した格好だが、検証報告はどう見ても「苦しい言い訳」と言わざるを得ない。と言うのも本紙でも既報したとおり、「テラスハウス」の出演者が〝スタッフのやらせ〟を証言しているからだ。

 先月2日発売の「週刊文春」では花さんの母・響子さん(43)が、スタッフから過剰なやらせがあったと告発。花さんは「(スタッフに)1のことを100にして盛り上げて欲しいって言われて」「スタッフにめっちゃ煽られた。盛り上げなきゃと思った」などと話していたという。

 さらに先月9日発売の同誌では、共演の男性が、スタッフからやらせの指示を受けたことがあると証言。中には花さんの胸を触るような、セクハラまがいの指示を受けたこともあったという。

 出演者が決死の覚悟で証言したにもかかわらず「指示、強要はなかった」と言い張るフジについて、「道義的にはあり得ないけど、フジとしては責任を認めるわけにはいかない理由があるんです」と声を潜めて言うのは制作会社関係者だ。

 その理由とはいったい何なのか?

「フジは『テラスハウス』をネットフリックスに売っている立場。もし制作過程に問題があったと認めれば、契約違反と言われかねない。ヘタしたら、ネットフリックスから返金を求められかねないから、『責任はない』と言うしかない」

 2012年から始まった「テラスハウス」は、15年からネットフリックスで先行配信され、フジの地上波はその後で放送という流れになっている。

「制作はフジと制作会社のイーストが請け負い、ネットフリックスに売る形で配信を行っている。さすがに金額までは分かりませんが、人気シリーズだし相当の金額で売られているのは間違いない」(同)

 そうした状況で、もし制作過程でやらせが原因でSNSが炎上して出演者が亡くなったと分かったら、ネットフリックスは黙っていない。

「米国の企業ですからね。契約書に『もし制作過程に不備があったらどうするか』ということも明記されている可能性が高い。そうなるとフジは違約金を払わなきゃならないから『やらせの強要はなかった』と言い張るしかないんです」(同)

 とは言え、今回の報告はあくまでもフジの内部調査だ。母の響子さんは今回の件について先月31日、放送倫理・番組向上機構(BPO)に人権侵害を申し立てており、「客観的に真実を追求してほしい」と語っている。

 さらにこれから出演者の証言が芸能マスコミで明かされる可能性もある。今後は内部ではなく、第三者による調査が必要なのは間違いない。