7月いっぱいで聖地「猪木酒場」が閉店 小猪木が尽きぬ思い出を語る

2020年07月17日 16時20分

猪木酒場で結婚式の二次会を開いた小猪木(左)とはるみ夫人

〝燃える闘魂〟をモチーフにし、昭和プロレス色全開のエンターテインメントレストランとして愛された「アントニオ猪木酒場」が、今月いっぱいでその歴史に終止符を打つことがわかった。同酒場と縁が深い猪木芸人のアントニオ小猪木(48=西口プロレス)が、本紙に惜別メッセージを寄せた。

 同店にはコブラツイストうずまきウインナー、16文ハンバーグ、道棒寿司など、猪木氏にちなんだオリジナルメニューがズラリ。店内には常時プロレス映像が流れ、貴重な写真が飾られている。

 グッズ販売も行われ、さながら猪木ミュージアムといった雰囲気で、猪木氏がリング狭しと大活躍した金曜8時のあの興奮が味わえる。もちろん、BGMは「炎のファイター」。どっぷり猪木ワールドに浸り、プロレスファンならずとも元気になれるパワースポットだ。一時は全国に展開していたが、ここ最近は新宿店を残すのみとなっていた。

「コロナの影響でお客様が激減しました。自粛期間の4、5月は休業し、6月になって再開しましたが、客足は戻りませんでした。コロナ終息の見通しが立たない中、お店を閉めることになりました。力不足ですみません。今後、プロレスをモチーフとした店をやるかはわかりません。まだ何も決まっていないので。猪木酒場らしく、最後まで元気に営業するだけです!」(同店関係者)

 猪木信者をはじめ多くの常連客がいたが、新宿はコロナの〝ホットスポット〟の印象が強いうえ、店の目と鼻の先にある小劇場で、よりによってクラスターが発生するなど、不運に見舞われた。

 同店を愛してやまないファンの一人が、小猪木だ。所属の西口プロレスで猪木酒場大会を開くなど、仕事上での付き合いはもちろん、歴代の店長と親交があり、プライベートでも足を運んだ。

 小猪木は「尊敬する春一番さん(享年47)と飲んだ際、『ロックは薄まるからダメ。ウイスキーはストレートで』と言ってグイっとやる。格好良かったな。もう一度会いたい」と、亡き先輩猪木芸人との思い出を語る。

 また、アントニオ猪木氏(77)がしばしば同店でイベントを開いたことから、そのたびに顔を出した。「猪木さんのIGF関係のイベントで、スタン・ハンセン(70)、ピーター・アーツ(49)、ボブ・サップ(46)らに会うことができたし、猪木さんの誕生会も行われた。まさに夢の空間だった」という。

 そして、自身の結婚式の二次会を開いたこともある。「数百人が出席してくれて、当時の店長から『猪木さんの誕生会に迫る勢いだったよ』とおだてられたことを覚えている。特別な場で主役になれてうれしかった」

 さらに「よく取材場所として使わせてもらっていた。マネジャーだったファニー猪木(猪木氏のめいで現在はブラジル在住)と一緒に取材を受けたり、猪木芸人で集まって取材を受けたり。スタッフの方はいつもよくしてくれて、全国の店舗をトークショーで回らせてもらったこともあった。思い出がたくさん詰まったお店。コロナが終息したら、いつの日かまた、復活してほしい」と別れを惜しんだ。