本来の使用方法とは違います! 保釈中にレバノンへ逃亡した前日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告(65)の日本脱出劇では楽器箱が使用されたとみられる。ヤマハミュージックジャパンが取り扱う管楽器の話題を中心に情報発信するヤマハ・ウインドストリームが11日夜、ツイッターで発信した注意喚起が瞬く間に拡散された。

 その中身は「理由については触れませんが、大型の楽器ケースに人が入ることに関することをネタにしたツイートが多く散見されるようになってきました。不幸な事故が起きてからでは遅いですので、皆さんの周りでは実際にそのようなことをしない、させないように皆さんで注意し合ってください」というもの。

 理由は言うまでもなく、ゴーン被告しかない。日本からの脱出劇を巡っては、関西空港でプライベートジェット機に乗り込む際、ゴーン被告は楽器箱の中に身を潜めたとみられる。大型の楽器箱でX線検査機内に入らず、チェックを逃れたとされている。

 レバノンで会見したゴーン被告は脱出劇の経緯について口を閉ざしたまま。世界を代表するトップビジネスマンでプライドが高かっただけに、とても楽器箱の中に隠れていたとは言えないのかもしれない。

 しかし、この衝撃の脱出方法は世界中で話題になり、ゴーン被告を題材にしたネットゲームでは楽器箱に隠れて、警察や検察の目を逃れる内容で、ネタにもされている。

 楽器を取り扱うヤマハとしては楽器箱が間違った方法で使われるのは迷惑でしかない。ゴーン被告は元特殊工作員の協力者の手を借りて、呼吸ができるような細工を施したようだが、密閉された箱の中で、閉じ込められたり、窒息する可能性がある。子供たちがかくれんぼなどで楽器箱に隠れようものなら、とんだ惨事となりかねないだけに、くれぐれも“ゴーンごっこ”は禁物だ。