天皇陛下の即位を祝う「国民祭典」の祝賀式典で、奉祝曲を披露した人気アイドルグループ「嵐」に酷評だ。

 9日に皇居前広場で開催された国民祭典で、嵐は奉祝曲「Ray of Water」を歌った。式典のために作られた同曲は3部構成で約13分の組曲。オーケストラ演奏の第1楽章、辻井伸行氏がピアノで演奏した第2楽章に続いて、嵐は第3楽章「Journey to Harmony」を歌唱した。

 式典の様子はテレビやネットで生中継され、多くの人がリアルタイムで嵐の生歌を聴いた。ある聴衆は「じんときた。コンサートに行ったことがなかったから感動した」と話し、皇后雅子さまも涙をぬぐう場面があったが、ネットの評価は散々だった。

「X JAPANのYOSHIKIやEXILEのATSUSHIと比べると軽量感が否めない」「場にそぐわない」「嵐って、あんなに歌ヘタやったんやな」などと厳しい評価が目立った。嵐ファンとの間で「歌の下手さ」を巡って、論争にもなった。

 皇室行事での奉祝曲では、YOSHIKIが1999年に天皇陛下(現上皇さま)の即位10周年、2009年にはEXILEが即位20周年の記念式典でそれぞれ披露している。今回、嵐に決定した際、人選に疑問符も付いていたが、案の定の反応が生じたともいえる。

 一方で、嵐の出演が決まると、一般招待の1万席を巡って希望者が殺到し、席はプレミアム化した。倍率は約47倍で、落選したファンが会場外に集まって、のぞき見や“音漏れ参戦”などが懸念されていたが、厳重な警備が行われ、目立った迷惑行為はなかった。

 奉祝曲の歌唱をネットで見たYOSHIKIはツイッターで「涙が出てくるほど素晴らしかったです」。だが、一般視聴者や観客からは、過去の出演者との比較や生歌の実力から、悪評の“嵐”も呼んでしまった。