ジャニーズの人気グループ「嵐」が、11月9日に皇居前広場で行われる「新天皇陛下の御即位をお祝いする国民祭典」でパフォーマンスを披露するという。同事務所のアイドルが、天皇陛下の前でパフォーマンスするのは嵐が初めての快挙だ。

 式典は政財界の有志によって行われ、天皇陛下御即位奉祝委員会、天皇陛下御即位奉祝国会議員連盟、公益財団法人日本文化興隆財団が主催。皇居前広場一帯で開催され、式典内で天皇陛下がお言葉を述べる予定になっている。

 嵐が登場するのは第2部の「祝賀式典」。メンバーが歌う奉祝曲は作詞が岡田惠和氏、作曲が菅野よう子氏、ピアノは辻井伸行氏が務める。豪華なメンバーばかりだ。ところが、業界からは「こんなチャンスめったにないのに、もったいない」との声が上がっているという。どういうことか。

 ある芸能関係者がこう話す。

「数千年の歴史を持つ日本の皇室は海外でもリスペクトされ、関心も高い。10月22日に行われる『即位礼正殿の儀』では、200を超える外国の元首クラスや祝賀使節が来日します。これは過去最大です。なので、今回の国民祭典も全世界で報道される。つまり、嵐が世界的に知られるチャンスなんですよ」

 思い出されるのが「X JAPAN」のYOSHIKIだ。1999年11月12日に行われた、上皇さまの天皇即位10年をお祝いする「国民祭典」で、自身が作曲したピアノ協奏曲の奉祝曲「Anniversary」をオーケストラとともに演奏した。これに上皇さま、上皇后さまともに満足されたというが、実は海外でも話題になったという。

「ロックミュージシャン風の男が、クラシックピアノを演奏していたので『あいつは誰だ?』となったのです。そしたら『X JAPAN』のYOSHIKIというやつだと。普段は激しいドラムパフォーマンスを披露しているので、そのギャップに度肝を抜かれたんですが、YOSHIKIが海外でも知られるきっかけになったんです」(同関係者)

 その後、YOSHIKIに海外での仕事が増えたのは、よく知られるところだ。今では日本の皇室とゆかりの深い英国のエリザベス女王が出席するポロの試合に呼ばれるほど。「でも、嵐は来年末で活動を休止してしまうでしょ。もしかしたら海外に進出できるチャンスなのに、もったいない。ピアノ演奏を務める辻井さんは、すでに世界でも大活躍しているので、嵐にも注目が集まると思うんですけどね」(同関係者)

 もちろん、日本のアイドルグループがどこまで海外に受け入れられるかは分からない。だが、ある芸能プロマネジャーによると「ジャニーズ関連会社社長として、裏方に回った滝沢秀明氏はアジア進出をもくろんでいる」とされる。それだけに、後輩タレントの後押しになる可能性もあるのだ。

 前出の関係者は「2006年に二宮和也がクリント・イーストウッド監督の映画『硫黄島からの手紙』に出演しましたが、そんなことも調べられて『巨匠の映画に出ているメンバーがいる』となれば、なおさら好印象なのに」とため息をつくが…。

 もっとも、今さら活動を続行するわけにもいくまい。何とも残念というしかないようだ。