引退・森昌子「芸能界の父」の支え 恩人の死がやめる原因に

2019年03月30日 11時00分

会見中に涙ぐむ森昌子

 今年いっぱいで引退することを突然、発表して日本中を驚かせた歌手の森昌子(60)が28日、都内で会見を開き、「芸能界から身を引く理由」を改めて口にした。「残された人生を芸能活動以外に充てたい」と話した森だが、実はもう一つの大きな原因があった。ある芸能プロ関係者によると「森を娘のようにかわいがっていた人物の死で、精神的支柱を失ったのが大きい」という。芸能活動が続けられなくなるほど大きな衝撃を森に与えた“芸能界の父”ともいうべき人物とはいったい――。

「せんせい」や「哀しみ本線日本海」「越冬つばめ」など数多くのヒット曲を持つ森。「長い間、応援していただきありがとうございました。森昌子はみなさんに支えられ、恵まれた歌手生活でした」と頭を下げた。

 13歳でデビューし、1986年に一度、引退したものの、2006年に復帰を果たした。

「2度目の引退ですので、3度目はございませんので、どうぞよろしくお願いします」と笑みを浮かべた。

 1回目の引退は、歌手の森進一との結婚が理由だったが、05年に離婚。今回の引退を機に再婚は「ないです」ときっぱり。相手を探すヒマもないというが「10年後、15年後にすてきな人が現れてお茶に誘われたら、ついていっちゃうかもしれません」とほほ笑んだ。

 引退を考え始めたのは、昨年10月に還暦を迎えた時のこと。「これから残された人生、あとどれくらいあるのかを真剣に考えた。芸能活動以外に時間を多くかけたい」と思うようになったという。

 当然、スタッフからは「引退ではなくお休みで」と引き留められたが、「私も頑固。昨日今日、決めたことではないし、プロセスがあって決めたことで、一つの区切りをつけたかった」と話した。

 その「芸能活動以外の時間を」と考えるきっかけとなったのが、昨夏に「デビュー当時から娘のようにかわいがってくださった方が亡くなった」という恩師の存在だ。長きにわたり森を支えたこの人物は「せんせい」を通り越して「芸能界の父親」的な存在だった。

 ある芸能プロ関係者は「その人物は、デビューしたころから昌子さんのコンサートをはじめ、いろいろなことを面倒見てくれたイベンターの方です。ご本人は昨年夏に亡くなったんですが、その年の秋に行った昌子さんの還暦パーティーで配るお土産まで生前に手配していて…」。

 それを後で知った森は号泣したといい「そこまで気にかけてくれた人だったから、昌子さんも『亡くなった』と聞いた時には放心状態だった。それこそ、何も手に付かなくなって…。昌子さん自身の中では、歌手活動を続けることができた精神的な支柱を失った、という感じだったんでしょう」と明かした。

 現在は、昨年10月から始まった全国ツアー中。年末までに約130か所を回る予定で、森も「最後まで全身全霊で歌っていきます」と誓った。

 この“引退ツアー”は、追加公演も増え続けている。音楽関係者は「チケットは、引退発表前からかなり売れ行きがいいのですが、発表された後、『最後までにもう一度行きたい』というファンの声も多く届いている。会場の調整もありますが、この先も増え続けていくでしょうし、今は12月25日に東京で最後のコンサートができれば、と計画しているところです」。

 昨年リリースしたシングル「あなたの愛に包まれながら」を最後に、新曲こそ出ないが、ベスト盤などのリリースも、もちろん検討しているという。

 本人は会見で、紅白出場について「ないでしょう」と否定的だったが、前出の音楽関係者は「これだけファンが盛り上がっていて、『最後』となればNHKも無視はできないでしょうね」。年末まで突っ走りそうだ。