【武田修宏の直言!】先日、元日本代表MFの奥大介さんが交通事故で亡くなった(享年38)。1996年に移籍したジュビロ磐田でともにプレーした仲間。とても優しく、少しシャイな青年だった。後輩の面倒もよく見ていたし、みんなに慕われていたね。突然の出来事に正直戸惑っているけど、今はご冥福を祈りたい。

 今回の不幸な出来事で改めて感じたのは、選手を辞めたあと、第2の人生についてだね。奥さんは日本代表で長く活躍し、Jリーグでも存在感を発揮したように、日本サッカーに大きな貢献をした選手。それでも最近はサッカーとは離れた場所で活動していた。

 さまざまな事情があったにしても、もう少しサッカー界としてサポートはできなかったのか。日本サッカー協会をはじめJリーグやクラブ、選手会、OB会は金銭面だけではなく、現役を辞めた選手に対しての環境を整えるなど、もっと支援策を打ち出してほしい。

 もう一つ気になったことはユース世代の低迷。U―19代表が再びW杯切符を逃したけど、育成年代の強化について見直すべきじゃないかな。みんな技術力もあってうまいけど、戦える選手が少ない。ブラジルのポンチプレッタに留学中に、何度かユースの試合を見たけど、紅白戦でも生きるか死ぬかのプレーだったことを思い出すよ。

 サッカー王国ブラジルの根底にあるのは、厳しい生存競争なんだ。今後は、うまい選手だけではなく最後まで勝利にこだわれる人材を求めたほうがいいんじゃないか。

 ☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から86年に読売クラブ(現東京V)入り。ルーキーながら11得点を挙げ、リーグVに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。00年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。01年に東京Vに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。87年に日本代表に選出。93年米国W杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。